マイホームを計画されている方へ!
■木造住宅の総重量はどのくらい?
個人の住宅では木造2階建てが一般的ですが、その総重量がどの位になるかご存知でしょうか?
どの程度の重量が地盤に乗るのか?地盤はどの程度の重量を支えなければならないのか?屋根、床、外壁、内壁、基礎などの重量を算出してみましょう。
※ 弊社で、実際に設計を行った物件の重量を記します。
建築面積:141.58㎡
床面積
2階床面積: 71.29㎡
1階床面積: 127.02㎡
合計 198.31㎡
各部位の重量
(屋根の重量)
222㎡×1.54KN/㎡=341.88KN
(2階床の重量)
71.4㎡×1.97KN/㎡=140.66KN
(1階床の重量)
127㎡×1.82KN/㎡=231.14KN
(外壁の重量)
297㎡×0.80KN/㎡=237.60KN
(内壁の面積)
315㎡×0.50KN/㎡=157.50KN
(べた基礎の重量)
31.9m3×24KN/m3=765.60KN
合計(総重量) 1,875KN
(187.5ton)
※ 計算式による面積当りの重量は、固定荷重+積載荷重である。
固定荷重とは?屋根、床、柱、壁、基礎などの構造躯体の自重のこと。
積載荷重とは?人間、家具、物品などの荷重のこと。
一般的な木造住宅を建築して家具などを搬入すると、総重量は1,875KNになります‥想像されていた重さだったでしょうか?ただし、面積により増減はあります。いまは国際単位に統一されましたが1,875KNとは昔でいう187.5tonのことです。
1階床面積で割ると、1㎡(1m×1m)に約1tonの重量が乗る計算になります。
降雪のある地域では、雪の重さが加算されますので総重量はさらに増えることになります。
よって、地盤が重量に耐えられるのかどうか?不同沈下などを引き起こさないか?など、判断するのに「地盤調査」が必要になります。
地盤の状態を把握することで基礎構造を決定していきます。
地盤調査の方法
■スウェーデン式サウンディング貫入試験
(方法)
スクリューポイントを先端に取り付けたロッドを地盤に貫入させ、 1000N 以下の荷重で沈下した場合の荷重( WSW )と、回転により貫入させたときの貫入量
1m 当たりの半回転数( NSW )を測定します。
深度10m以内の軟弱地盤が対象となります。密な砂質地盤や砂礫・玉石・岩盤などには適していません。
標準貫入試験の N 値や、一軸圧縮強さ、地盤の支持力との相関関係が示されているため、試験結果を利用して地盤の支持力評価を行なうことができます。→小規模構造物や木造住宅等の支持力確認のために実施されます。
(長所)
1. 試験装置・方法が簡単で容易にでき、比較的安価である。
2. 試験結果をN値に換算できる。
3. 深度方向に連続してデータが取れる。
(短所)
1. 礫・ガラなどがあると貫入が困難になり測定位置の変更が生じる。
2. 調査深度は10m程度が限度である。
3. 地中の試料を採取できない。
■ボーリング・標準貫入試験
一般に、ボーリング調査と呼ばれる地盤調査法は、正式にはボーリング・標準貫入試験と言い、ボーリングBoring(=くりぬくこと)によって掘削した孔を利用して、1mごとに地盤の硬さを測定する標準貫入試験を行なう調査です。通常は、土のサンプリングと同時に行なわれます。標準貫入試験によって得られるデータをN値(エヌち)と呼び、地盤の安定性を推定する目安とすることができます。
(方法など)
簡単に説明すると、63.5kgのハンマー(おもり)を75cmの高さから自由落下させて、サンプラーを土中に30cm貫入させるのに要する打撃回数を測定する試験で、この時の打撃回数がN値です。
標準貫入試験が必要になるのは、3階建てや鉄骨造などの物件の確認申請に「構造計算書」を添付しなければならないときです。
スウェーデン式サウンディング試験との大きな違いは、どんなに深い層でも、硬い層でも掘り進むことができることです。
(長所)
1. 現状の土を採取でき、土層の確認が容易(物理的な土質試験に使える)である。
2. N値から地盤の強度を推定でき、支持層(N値≧50が5m連続)確認が可能である。
3. 地下水位が確認できる。
(短所)
1. 広い調査スペース(乗用車2台分以上)を確保する必要がある。
2. 試験時間が長い(場合によっては数日必要)
3. 超軟弱な地盤ではデータが荒くなりやすい。
4. 調査費用が高額である。