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▶ マイホームを計画されている方、地盤の調査は?‥地盤調査の必要性!

マイホームを計画されている方へ!

■木造住宅の総重量はどのくらい?
個人の住宅では木造2階建てが一般的ですが、その総重量がどの位になるかご存知でしょうか?
どの程度の重量が地盤に乗るのか?地盤はどの程度の重量を支えなければならないのか?屋根、床、外壁、内壁、基礎などの重量を算出してみましょう。

※ 弊社で、実際に設計を行った物件の重量を記します。

 建築面積:141.58㎡  
 床面積
 2階床面積: 71.29㎡
 1階床面積: 127.02㎡
   合計    198.31㎡

各部位の重量

(屋根の重量)
 222㎡×1.54KN/㎡=341.88KN

(2階床の重量)
 71.4㎡×1.97KN/㎡=140.66KN

(1階床の重量)
 127㎡×1.82KN/㎡=231.14KN

(外壁の重量)
 297㎡×0.80KN/㎡=237.60KN

(内壁の面積)
 315㎡×0.50KN/㎡=157.50KN

(べた基礎の重量)
 31.9m3×24KN/m3=765.60KN

 合計(総重量)   1,875KN
           (187.5ton)

※ 計算式による面積当りの重量は、固定荷重+積載荷重である。

固定荷重とは?屋根、床、柱、壁、基礎などの構造躯体の自重のこと。
積載荷重とは?人間、家具、物品などの荷重のこと。

一般的な木造住宅を建築して家具などを搬入すると、総重量は1,875KNになります‥想像されていた重さだったでしょうか?ただし、面積により増減はあります。いまは国際単位に統一されましたが1,875KNとは昔でいう187.5tonのことです。
1階床面積で割ると、1㎡(1m×1m)に約1tonの重量が乗る計算になります。
降雪のある地域では、雪の重さが加算されますので総重量はさらに増えることになります。

よって、地盤が重量に耐えられるのかどうか?不同沈下などを引き起こさないか?など、判断するのに「地盤調査」が必要になります。
地盤の状態を把握することで基礎構造を決定していきます。

地盤調査の方法
■スウェーデン式サウンディング貫入試験
(方法)
スクリューポイントを先端に取り付けたロッドを地盤に貫入させ、 1000N 以下の荷重で沈下した場合の荷重( WSW )と、回転により貫入させたときの貫入量 1m 当たりの半回転数( NSW )を測定します。
深度10m以内の軟弱地盤が対象となります。密な砂質地盤や砂礫・玉石・岩盤などには適していません。
標準貫入試験の N 値や、一軸圧縮強さ、地盤の支持力との相関関係が示されているため、試験結果を利用して地盤の支持力評価を行なうことができます。→小規模構造物や木造住宅等の支持力確認のために実施されます。

(長所)
 1. 試験装置・方法が簡単で容易にでき、比較的安価である。
 2. 試験結果をN値に換算できる。
 3. 深度方向に連続してデータが取れる。

(短所)
 1. 礫・ガラなどがあると貫入が困難になり測定位置の変更が生じる。
 2. 調査深度は10m程度が限度である。
 3. 地中の試料を採取できない。


■ボーリング・標準貫入試験
一般に、ボーリング調査と呼ばれる地盤調査法は、正式にはボーリング・標準貫入試験と言い、ボーリングBoring(=くりぬくこと)によって掘削した孔を利用して、1mごとに地盤の硬さを測定する標準貫入試験を行なう調査です。通常は、土のサンプリングと同時に行なわれます。標準貫入試験によって得られるデータをN値(エヌち)と呼び、地盤の安定性を推定する目安とすることができます。

(方法など)
簡単に説明すると、63.5kgのハンマー(おもり)を75cmの高さから自由落下させて、サンプラーを土中に30cm貫入させるのに要する打撃回数を測定する試験で、この時の打撃回数がN値です。
標準貫入試験が必要になるのは、3階建てや鉄骨造などの物件の確認申請に「構造計算書」を添付しなければならないときです。
スウェーデン式サウンディング試験との大きな違いは、どんなに深い層でも、硬い層でも掘り進むことができることです。

(長所)
 1. 現状の土を採取でき、土層の確認が容易(物理的な土質試験に使える)である。
 2. N値から地盤の強度を推定でき、支持層(N値≧50が5m連続)確認が可能である。
 3. 地下水位が確認できる。

(短所)
 1. 広い調査スペース(乗用車2台分以上)を確保する必要がある。
 2. 試験時間が長い(場合によっては数日必要)
 3. 超軟弱な地盤ではデータが荒くなりやすい。
 4. 調査費用が高額である。

 

2012年04月03日

▶ 改正建築物省エネ法により、これからの住宅は「省エネ住宅」に移行します(2021年4月から施行)

なぜ、4月から省エネ住宅になるの?

 近年の、異常気象や地球温暖化などへの対策として、国交省は「パリ協定」(2016年11月発効)を踏まえ温室効果ガス排出量の削減目標の達成等に向け、住宅・建築物の省エネルギー対策強化を行うために省エネ法を改正しました。
このため、住宅・建築物分野の削減率を40%に設定し全国の建築業者に周知しており2021年4月より全面施行になります。

 

▼ 「省エネ住宅」とはどのような住宅なのか?

 外皮基準と一次エネルギー消費量基準の二つが有ります。
      ①外皮基準とは、屋根や外壁などの断熱性能に関する基準のこと。
      ②一次エネルギー消費量基準とは、住宅内で消費されるエネルギー量に関する基準のこと

 簡単に言うと、建物全体を断熱材で囲うことで高断熱・高気密として、また高効率な設備(エアコン・LED照明・給湯機など)を設置してエネルギーの消費量を抑えることで、年間の光熱費を下げるなど経済的でかつ夏涼しく冬暖かい住宅にすることでCO2排出量の削減に繋がり、地球温暖化防止に寄与する‥それが省エネ住宅です。

<高断熱・高気密な家>

 

<高効率な設備を設置した家>


▼ 2021年4月1日以降に依頼した住宅は設計士より「省エネ基準」の説明があります

 設計の委託を受けた建築士は建築主(施主)に対して、省エネ基準への適否について評価を行ったうえで、その結果を説明する必要があります(説明義務制度)

 建築士は、建築主のご要望(規模や予算など)を踏まえ
   1、省エネ基準(外皮基準、一次エネルギー消費量基準)を明記した設計図書を作成します。
   2、作成した設計図書により計算をおこない適否を確認します。
   3、省エネ基準に適合、適合しない場合の省エネ性能確保のため必要となる変更内容を説明します。

<説明義務制度とは>

 これからマイホームを計画している建築主は「説明義務制度」など知りませんし
高断熱・高気密で高効率な設備の住宅‥と聞いて、高額にならないの?予算もあるし‥と、なることと思います。
 国交省の考えとして、一般的に建築主は省エネに関する知識を十分に持っているとは限らず、専門的な知見を有する建築士から具体的な説明を聞いて省エネに対する意識が高まることを期待しています。


▼ 省エネ基準を満たしていないとマイホームは建築できないの?

 必ずしも省エネ基準を満たしている必要はなく、希望される施工方法で建築は可能です(強制ではない)

<省エネに対する意識調査>
 調査結果では、省エネに対して90%の方が検討したいと回答しています。
省エネ住宅は、年間の光熱費を下げるなど経済的でかつ健康的(夏涼しく冬暖かいなど)な空間になるため、これからマイホームを計画する建築主には非常に興味深い話になることと思います。

<説明を聞いて省エネ基準に適合させる場合>

 建築主より省エネ住宅の依頼があった場合、建築士は「説明書面」を作成して15年間保存する必要があります。
これらの書面は、都道府県等による建築士事務所への立入検査の際に検査の対象となり、保存されていない場合には建築士法に基づく処分の対象となります。
また、建築確認申請と連動して適合判定通知書を提出しなければならず、不備があれば着工できません。

 

<評価・説明は不要とした場合>

 建築主が評価・説明は不要(省エネ住宅にしない)であると意思表示をした場合は、建築主は「意思表示書面」を作成し建築士に提出する必要があり、建築士は書面を15年間保存する必要があります。

 

▼ 省エネ住宅のメリットとは

1⃣ 年間の光熱費が減額に!

 国交省では、年間12万円ほどの光熱費を下げることができるとシミュレーションしていますが
今ではあまり見られない外壁を土壁とした和風住宅などと比較すると、もっと光熱費を下げることは可能と思います。

 

 

2⃣ 温度差のない快適な住空間に!

 昔の和風住宅などは、冬期の朝目覚めると息が白いなど外気と変わらないほどの室温の住宅もありますが
省エネ住宅は、高断熱・高気密ですので夏涼しく冬暖かい住環境になり快適な生活になることと思います。

 

 

3⃣ 家族の健康を守る家に!

 寒い住宅は健康を害します。
また、急激な温度差や結露によるカビなどは健康を害します、国交省では住宅の室内環境性能が優れ快適であれば居住者の各種疾病割合が改善されるとの研究結果を報告しています。
ただし、適度な換気を行わないと室内の空気は汚れ、カビなどの原因となりますので‥換気or空気清浄機などが必要です。


4⃣ ヒートショックから家族を守る!


▼ 省エネ住宅のデメリットとは

1⃣ 省エネ性能の計算等に費用が必要となること。

2⃣ 省エネ性能向上のための工事等に係る費用や工期が必要になること。

3⃣ 省エネ性能を維持するために建物の完成後も適切なメンテナンスやそのための費用が必要となること。

※省エネ住宅を希望した場合は、費用(計算、工事費、メンテナンス)が一般的な住宅よりも高額になります。
 国交省では、省エネ住宅・省エネリフォームを対象とする支援事業として補助を行っており活用されることを推奨します。

 

▼ 気候風土適応住宅の省エネ基準

 伝統的構法を採用している住宅は省エネ基準が一部合理化となります。
いまでは観ることが少なくなりましたが、壁を竹で編み土壁を塗った純和風住宅は省エネ基準を採用しても断熱化が困難で、室内から外へ暖気・冷気が逃げて行きますので下記のように除外となります。


▼ 国交省作成の漫画

 国交省が作成した漫画「ご注文は省エネ住宅ですか?」20頁を参照ください。

 


 ビデオでの視聴はこちらを御覧ください「説明義務編」

 

2021年02月01日

▶ 耐震基準の改正‥被害の多くは昭和56年以前の建物です、我家の耐震診断を!

なぜ「耐震改修」が必要なの?

東南海・南海地震については、今後30年以内に起きる確立が東南海地震で60%南海地震で50%といつ発生してもおかしくない状況です。
東南海・南海地震では、大きな横揺れが長時間続くと言われており、兵庫県にも大きな影響が心配されます。
阪神・淡路大震災では、多くの建物が被害を受け、6,434人もの尊い命が奪われました。
特に、家屋・家具などの倒壊による人的被害が大きく、犠牲者のうち約9割近くを占めました。

 


西暦1981年(昭和56年5月)以前の住宅が対象です!
1981年(昭和56年)に建築基準法の耐震基準がが改正され、いわゆる「新耐震基準」では耐震計算のための地震力が大地震と中地震の2段階に設定されました。
人命の保護に重点を置き、中地震では損傷しないこと、大地震では倒壊、崩壊しないことが求められています。
阪神・淡路大震災で大きな被害を受けた建築物のほとんどは、1981年(昭和56年)以前に建築された旧耐震基準による木造住宅で、昭和56年6月以降の住宅には、大きな被害が少なかったと指摘されています。

阪神・淡路大震災の教訓
阪神・淡路で発生した地震は「都市直下型」といわれる地震です。
直下型とは、内陸部などの地中の浅い場所で発生するタイプの地震で、地球を殻のように覆うプレート(岩板)内部に圧力がかかってひずみが蓄積、一部が破壊して起きる地震です。
直下型としては、さほど大きくなかったにもかかわらず人口が密集している都市の下で起こったために、その被害の大きさは地震災害としては戦後最悪なものとなりました。

地震は都市の直下で起きても、遠い海の底で起きても「横揺れ」と「縦揺れ」が発生します‥大きさとしては、はるかに横揺れのほうが大きいのです。しかし、阪神淡路大震災の場合は、縦揺れで住宅の柱が抜け落ち、家屋・家具などの倒壊による人的被害が多く発生しました。


マグニチュードと震度は違います

テレビなどで、震度6、マグニチュード5などと報道されますが、この二つはよく間違われます。
「マグニチュード」とは?地震そのものの大きさを表す数値(M)で、1つの地震に1つしかありません。


巨大地震8≦M
大 地震7≦M
中 地震5≦M<7
小 地震3≦M<5
微小地震1≦M<3
極微小地震 M<1

「震度」とは?
振動(地震の揺れ)の強さを表し、震源からの距離により数値が違い10階級で表します。


講習を受け、登録された「応急危険度判定士」は、地震後の余震などによる二次災害を未然に防止するため、被災した建築物の被害状況を調査し、その建物が使用できるか否かの判定・表示を応急的に行います。

       判定作業中

       判定作業中

         <判定ステッカー>

「危険」はその建築物に立ち入らないこと。
「要注意」は立ち入る際には十分注意すること。
「調査済」は建築物は使用可能。

関西地方は、「土葺き工法」と言って断熱効果があると言われる土を屋根に乗せて瓦を葺いていました。
しかし、地震で瓦屋根住宅の多くが倒壊‥いわゆるトップヘビー(頭が重い)と言われ、倒壊の原因とされました。
そのような状況下で、軽い屋根材のハウスメーカーは1棟も全壊が無かったため、震災以降には「瓦は無くなった」と言われるほど瓦屋根は少なくなりました。
実際に、瓦業界は土葺き工法を中止する旨の通達を出し「引掛け桟葺き工法」に改められました。
誤解をしないようにしてください‥瓦屋根でも、地震・台風に対して安全です。
ただし、土を乗せる工法はトップヘビーになりますので、構造材の断面を慎重に検討する必要があります。

   <引掛け桟葺き工法>


     <土葺き工法>


法律の改正‥継手・仕口に関する規定
阪神・淡路大震災において、特に木造建築物について接合部が適切でないものの被害が多くみられたため、平成12年6月1日の政令改正(建設省告示1460号)により、構造耐力上主要な各部分、すなわち水平力に対して抵抗するために重要な部分について、どのような金物を使用し、釘の本数を何本にするか等、構造方法の仕様が具体的に規定されました。

「構造耐力上主要な各部分」とは?
基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、斜材(筋かい、方づえ、火打材)、床版、屋根版又は横架材(はり、けた等。)で、建築物の自重若しくは積載荷重、積雪荷重、風圧、土圧若しくは水圧又は地震その他の震動若しくは衝撃を支えるものをいう。
簡単に言えば、地震などによる水平力に、柱、梁などは抵抗しますが、その時に継手などが抜けたりしないように金物で補強をしなさい‥と、いうことです。

耐震改修ってどんなことをするの?
1、基礎と土台・柱をしっかりと繋ぐ
2、既存壁の補強する
3、壁を新設する
4、屋根を軽くする、腐朽箇所を取り替える
  
自治体の補助金制度を利用しましょう ※兵庫県の場合
簡易耐震診断推進事業について

<概要>
耐震診断を申し込むと、市町から弊社のように耐震診断に関する研修を受けた建築士(簡易耐震診断員)を派遣して住宅の安全度を確認します。
<条件>
昭和56年5月31日以前に建築された住宅等の所有者又は管理者
建物の延べ面積の過半以上が居住に用されているもの
枠組壁工法(2×4)、丸太組工法及び改正前の規定に基づく認定工法以外の住宅
平成12年から14年に実施された「わが家の耐震診断推進事業」を受けていないもの
<費用>
診断費用の1割(木造戸建住宅の場合は3,000円)神戸市、三木市は無料
<その他>
診断員は、弊社のように「兵庫県簡易耐震診断員受講証」を提示します。
診断員の名簿は市町の担当窓口に提示していますので、お住まいの近くの方に依頼できます。
<報告書の作成>
診断員が建物の状態を確認して、下記のような「耐震診断判定表」を作成します。
評点が1.0未満となりますと「やや危険」との判定になりますので精密診断を受けてください‥地震などにより倒壊の危険があります。ただし、強制ではありません任意です。

「わが家の耐震改修促進事業」について
<概要>
簡易耐震診断で問題があると指摘された場合は、さらに精密な診断を受け、新耐震基準に適合するための改修計画の設計を依頼する費用に対して補助する「住宅耐震改修計画策定費補助」があります。 
このほか、住宅耐震改修計画により住宅の耐震改修工事を行った場合は、その工事費の4分の1(最高60万円)を補助する「住宅耐震改修工事費補助」があります。

※ 詳細は最寄の市町窓口にてご相談ください。

 

2011年11月11日

▶ 地震に強い住宅とは‥耐震工法、制振工法、免振工法の違いは?

地震に強い住宅とは?

新聞などでは「進まない耐震改修」とか、テレビCMでは「制震住宅○○ホーム」とかを耳にすることが多くなりましたが、耐震・制震・免震はまったく異なる工法です。
1981年に改正された建築基準法における「新耐震基準」では、建物が地震に遭遇した場合に「人命の保護を図ること」を目的としています。
つまり、建築基準法をクリアした耐震住宅は、大地震が起きたときに建物が倒壊せずに最低限逃げるだけの時間は確保されていますが‥その後の暮らしまでは保障していません!
せっかく建てた家が、思い出の詰まった部屋が倒壊して無くなったら‥そのような不安が解消できるのが制震住宅or免震住宅です。これからは、制震住宅・免震住宅などが増えることが予想されます‥それほど、地震に対してメリットがあり、生命・財産はもちろんのこと、その後の暮らしも守ることができる工法だからです。

  揺れに耐える
  <耐震工法>

  揺れを吸収する
  <制振工法>

  揺れを伝えない
  <免震工法>  

耐震工法とは
地震の揺れに抵抗できる強固な部材、筋かいなどの仕様で建物の強度を確保する工法のことです。
震度6クラスの地震がきても、すぐに建物が倒壊せずに、居住者が避難する時間を確保することを目標にした工法です。
また、連続して起きる大きな余震などは想定していませんので、建物が大きく傾かないように頑丈にすれば良いという考えです。

 

 

 


<継手・仕口に使用する金物>

<アンカーボルトM12>
基礎と土台の接合に使用します。

<2倍筋かい>
45㎜×90㎜の筋かい(壁倍率2倍)を柱と横架材に接合するときに使用します。

<段付きスーパーシャトルプレート>
105㎜の柱と120㎜の横架材または120㎜の柱と105㎜の横架材の接合に使用します。

<ホールダウンコーナー10kN用>
柱と横架材の接合に使用します。

<ビスどめホールダウン20kN用>
基礎と柱脚の緊結、柱と横架材の緊結、上下階の柱相互の緊結に使用します。

<ビスどめ羽子板>
小屋梁と軒桁、軒桁と柱、胴差と床梁および通し柱と胴差の接合に使用します。

<W羽子板ボルト-Ⅱ両引き用>
管柱相互の両引き、または横架材相互の両引きに使用します。

<HDジョイント 25kN用>
管柱の連結等に使用します。

■耐震工法の長所
基礎・土台・柱・梁などを金物や合板などでガッチリ固め、構造体その物の強度を高め、地震の揺れに耐える工法です。

■耐震工法の短所
耐力壁など構造体が、地震などの振動エネルギーを受止めるために、耐えれば耐えるほど構造体の損傷が大きくなり、修復費用が高額になります。
構造体が壊れながら振動エネルギーを吸収しますので、繰り返しの大きな振動(余震)で倒壊する危険があります。
強固な構造体が振動エネルギーを受止めるために、衝撃は建物内の人や家具にも伝わり、家具の転倒、ドアなどの開閉不可、ガス管・水道管の破損などが生じます。

制震工法とは
地震などによる振動を、建物に施した装置で吸収し揺れを小さくする工法のことです。
壁の中に、ダンパーなどの制震装置を取り付け、建物が揺れるときの振動エネルギーを熱エネルギーに変換して吸収することにより、建物の損傷を防ぐ工法です。

 

 


■制震工法の長所
高層ビルなどに多く採用されている工法で、連続して起きる地震を想定しており、繰返しの振動にも建物の傾きを抑えると同時に、振動エネルギーを吸収して揺れをソフトにします。
実験では、揺れを1/2以下に低減し地震エネルギーを50%以上吸収します。 振動エネルギーを吸収することで、構造体の損傷・家具の転倒などが少なくなり、地震後も軽微な補修だけで住み続けられます。

■制震工法の短所
地震が起こったときに、どの部分にどの様な歪みや力が働き、またどの程度エネルギーを吸収するのか‥応答加速度、周波数などのシミュレーション設計を行う必要があり、この設計を間違うと、耐力壁部分と制震ダンパー部分の振動負担がアンバランスとなり、本来の耐力が発揮できないことがあります。

免震工法とは
基礎と土台の間に免震装置を取り付け、建物と地盤を切り離すことで建物に地震の揺れを伝えない工法のことです。

 


■免震工法の長所
中低層ビルなどに多く採用されている工法で、巨大地震を想定しており、建物に揺れを伝えないので大きな地震でも家はゆったりと穏やかに揺れます。
地震の揺れを1/3に低減し、振動を建物に伝えないので、構造体の損傷や家具の転倒が無く復旧費用が不要なほどです。

■免震工法の短所
免震装置のメンテナンスの必要があり、ランニングコストが必要になります。
配管などが建物の動きに追従できるように、様々なしくみが必要となります。
地震のとき、建物が自由に動けるように、周りに物を置かないように気を使う必要があります。

結論として

■予算があれば免震住宅?
設置費用がかなり高額になります、地盤が良くて予算があり、メンテナンス費用を惜しまないのであれば免震工法による住宅が一番良いようです。

■安価な制震住宅?
設置費用は比較的に安価ですので、予算があまり無く、でも地震が心配と思われる方は制震工法による住宅はいかがでしょうか?

■全ての住宅は耐震工法が基本!
建築基準法の新耐震基準には、制震工法・免震工法の基準はありません!
よって、耐震工法を設計に網羅する必要があり、全ての住宅は耐震工法が基本になりますので筋かいの設置及び配置、継手・仕口に規定の金物を取付けるなどの必要があります。


制震住宅とは‥耐震工法+制震工法
免震住宅とは‥耐震工法+免震工法

 


 

2010年04月01日

▶ 住宅取得者を保護する目的で「住宅瑕疵担保履行法」が2009年10月施行に!

なぜ、このような法律ができたの?

■耐震強度偽装事件
2005年(平成17年)に明らかになった、姉歯一級建築士による耐震偽装事件!
正しくは「構造計算書偽装」で、RC造のマンションなどの構造計算書を偽装して耐震強度を偽っていました。
その、建築確認の段階で審査機関が偽装を見抜けず‥マンションなどは建築販売され住宅購入者は入居。後に、強度が不足しており地震で倒壊の恐れがあるなどで解体して建て替えることになりました。

■責任は誰に?
国交省、審査機関、建設業者、販売会社‥責任のなすりあいで国は責任を取っていません!あとの各業者は、指定を取り消されたり、資格を剥奪されたり、社会的信頼を失い倒産しました。
※2009年2月24日、名古屋地裁で県の過失を認めた判決が始めてでました。

■住宅購入者は
責任の所在がハッキリせず、建て替えることになった購入者は災難です‥業者に購入金の返還請求をしようにも既に倒産しています‥現在二重ローンに苦しんでおられます。
建て替えがなくても、住まいを失い、残ったのは住宅ローンだけです‥非常に悲しいことです!

■そして国交省は
このような人災を二度と起こさないように国は法律の改正・制定を行いました。
現在、関係業者を徴集して「住宅瑕疵担保履行法」の無料講習会を全国で開催しています、2009年10月1日の施行に向けて周知している所です。
罰則・罰金規定もあり、業者にとっては戦々恐々かも知れませんが、これからマイホームを取得される方を保護しようとする法律です‥良いことではないでしょうか!?


改正された法律とは?
■建築基準法の一部改正
  (1)建築確認・検査の厳格化
  (2)指定確認検査機関の業務の適正化
  (3)建築士などの業務の適正化、罰則の強化など
  (4)住宅の売主等の瑕疵担保責任の履行に関する情報開示

おおまかな改正として、建築確認済証の交付期間の延長、一定規模以上の建築物について「構造計算適合性判定」が必要になり、違反者には懲役または罰金などがあります。※違法行為による懲役・罰金の規定は建築主(依頼者)にも適用されます

■建築士法などの一部改正
  (1)小規模木造住宅に係る構造関係規定の審査省略見直し
  (2)建築士の資質・能力の向上
  (3)高度な専門能力を有する建築士による構造設計及び設備設計の適正化
  (4)設計・工事監理業務の適正化など
  (5)団体による自律的な監督体制の確立

おおまかな改正として、一般的な木造住宅の図面審査が厳しくなり、高度な専門能力を有する新たな資格が誕生し、定期講習の受講義務化、違反者には懲役または罰金などがあります。

■期待される効果
建築基準法での罰則は、最大で1億円以下の罰金、3年以下の懲役。
建築士法での罰則は、最大で100万円以下の罰金、1年以下の懲役。
建築基準法と建築士法で違反した場合には、併合罪が科せられることになりますので違反行為の抑制効果が期待できると思います。

制定された法律とは?
■住宅瑕疵担保履行法
この法律は、平成12年4月施行の「住宅の品質確保法の促進等に関する法律」で定められた10年間の瑕疵担保責任を履行するための措置を住宅供給業者(売主・請負人)に義務付けています。

■具体的に住宅瑕疵担保責任履行法とは?
瑕疵担保責任履行のための資力確保を義務付けるもので、次のどちらか(供託または保険)を選択しなければなりませんが、組み合わせて利用することも可能です。


<対象となる住宅>
新築住宅
(例)戸建住宅、分譲マンション、賃貸住宅(公営住宅、社宅なども含む)

<対象外のもの>
新築住宅でないもの、住宅ではない建築物
(例)建設工事完了日から起算して1年を経過した住宅、事務所、倉庫、物置、車庫など


「瑕疵」とは
一般的にキズや欠陥のことをいいますが、法律上は「請負契約で定められた内容や建物として通常期待される性質ないし正常を備えていないこと」をいいます。

「瑕疵担保責任」とは 
引き渡された新築住宅に「瑕疵」があった場合に、その瑕疵を修補したり、賠償金の支払いなどをしなければならない責任のことをいいます。つまり、新築住宅の請負業者や分譲業者が引き渡した住宅に瑕疵が見つかった場合に負わなくてはならない責任のことです。

「供託」とは
法令の規定により金銭などを一定の者に寄託(あずけ頼む)すること。

資力確保を義務つけられるのは誰?
「保険への加入」または「保険金の供託」(資力確保)が義務付けられるのは、発注者に新築住宅を引き渡す「建設業者」および「宅建業者」です。
義務付けられた業者は、国土交通大臣が指定した「住宅瑕疵担保責任保険法人」と保険契約を締結します。
※保険や供託による資力確保措置を講じないなど違反行為には1年以下の懲役か100万円以下の罰金、または その両方に処せられます。


紛争処理体制
住宅の新築や購入などで、争いがなく円満に終われば良いのですが‥請負人と建築主の間で紛争が生じることもあります。
この保険が付された住宅の売主や請負人とその買主や発注者との間で紛争が生じた場合、消費者保護の観点から住宅専門の紛争処理機関において、適切かつ迅速な紛争処理が受けられる体制になっています。
当事者は1万円程度の負担で、専門家による紛争処理を受けられることになります。


簡単に言うと
建設業者などに「保険への加入」または「保証金の供託」を義務付けることで、耐震強度不足のような重大な瑕疵が発生しても、また業者が倒産しても、保険にて瑕疵部分の責任を履行します。
また、二度とこのようなことが起きないように法律を改正・制定して罰則を強化し、紛争が生じた場合には希望すれば保険法人が介入することで専門家による紛争処理が受けられます。

 

2009年10月01日

▶ 新築住宅の瑕疵担保期間が10年間の義務になっているのをご存知ですか?

すべての新築住宅は10年間保証されます!

■消費者を保護する観点から
せっかく手に入れたマイホームの性能に著しく問題があったり、生活に支障を来す重大な欠陥があったりしては大変です。
そうした住宅に関するトラブルを未然に防ぎ、そして万が一のトラブルの際も紛争を速やかに処理できるよう平成11年の通常国会において制定された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」で義務化されました。

■新築住宅に対する瑕疵担保期間(10年間)の義務化
平成12年4月1日以降に締結された新築住宅の取得契約(請負/売買)には、基本構造部分(柱や梁など住宅の構造耐力上主要な部分、雨水の浸入を防止する部分)について、10年間の瑕疵担保責任(修補請求権等)が義務づけられました。

※ 「住宅」とは、一戸建住宅から分譲・賃貸共同住宅などをいう。

保証の対象となる部位

対象となる部分 新築住宅の基本構造部分 基礎、柱、床、屋根等
請求できる内容 修補請求、賠償請求、解除 ※売買契約の場合で修補不能な場合に限ります。
瑕疵担保期間 完成引渡から10年間義務化(短縮の特約は不可)、※今までは10年未満に短縮可能


「構造耐力上主要な部分」とは
耐震性や耐久性などにとって重要な部分である基礎・柱等をいいます。

「瑕疵」とは
一般的にキズや欠陥のことをいいますが、法律上は「請負契約で定められた内容や建物として通常期待される性質ないし正常を備えていないこと」をいいます。

「雨水の浸入を防止する部分」とは
雨漏り対策のために措置されている部分の屋根や外壁などを言います。

「新築住宅」とは
住宅品質確保促進法では、新たに建設された住宅で、まだ人の居住のように供したことのないもので、かつ、新築されてから1年を経過していないものと定義されています。

「瑕疵担保責任」とは
引き渡された新築住宅に「瑕疵」があった場合に、その瑕疵を修補したり、賠償金の支払いなどをしなければならない責任のことをいいます。つまり、新築住宅の請負業者や分譲業者が引き渡した住宅に瑕疵が見つかった場合に負わなくてはならない責任のこととなります。
※ ただし、クロスのめくれ・外壁のヘアークラックなど構造耐力等に関係のない瑕疵は、対象となりません。

最高裁での事例
■施工業者の賠償責任拡大
平成19年7月6日に、住宅の購入者が施工業者に「欠陥住宅」の損害賠償を求めた裁判の上告審判決が最高裁であり、構造耐力等に関係のない瑕疵でも賠償責任を負うと判断しました。
購入者の訴えは、「建物に亀裂や水漏れ、バルコニーの手摺りのぐらつきがある」という内容です。

最高裁の判断は「設計事務所や施工業者は、居住者に対して建物の安全性を配慮する必要がある」とし、「バルコニーの手摺りがぐらつく程度の欠陥であっても、居住者が転落して生命や身体に危険を生じさせるようなものは、建物の安全性を損なう欠陥というべきだ」と判断基準を示しました。
この事例は民法での判断ですが、建築基準法では「国民の生命、健康及び財産の保護を図ること」を目的にしています‥建築士の責務としては最高裁の判断は当然と考えるべきでしょう!

工務店・住宅メーカーなどは
■(財)住宅保証機構に登録
住宅の建築を請負う工務店なども重大な欠陥があったりしては大変です。
(財)住宅保証機構に登録申請を行い、登録料を支払い「登録事業者」となり10年間の瑕疵担保責任の履行を円滑かつ確実に行います。
‥ですが、登録事業者は全国で約41,000社(平成17年)のようですので、全ての建築業者が登録している訳ではありません。

■保証料
登録事業者は、工事請負金額に応じて「保証料」を(財)住宅保証機構に支払います。
保証料は、発注者(建築主)が支払うのか、請負業者(登録事業者)が支払うのか、決められていませんので確認の必要があります。
請負業者の責任施工ですので、保証料は請負業者が支払うべきと思われますが‥見積書の諸経費などの項目に保証料が入っている場合がありますのでご確認ください。

■もし、10年後に重大な欠陥が‥
住宅の建築を請負う業者は、最初から重大な欠陥が起きるような施工はしないと思いますが‥10年という歳月は非常に長い期間になります。
仮に、10年後に建物が傾いたり、雨漏りがあると‥建物の基礎を補強したり、屋根材を全てめくらなければならない等、補修費用が発生します。
登録事業者ではない業者は全額を負担しなければなりませんが、業者が認めずにトラブルになることも予想されます。

登録事業者には、瑕疵が見つかった場合には保証開始から3年目以降は補修費用のおよそ80%が保険金等として支払われます。
業者が倒産しても保証は継続され、もし瑕疵が見つかった場合には専門家による保証事故審査会に申請することでトラブルも審査してくれます。
この制度は、施工業者だけではなく発注者(建築主)にもメリットがあるようです。
トータルとして考えると、(財)住宅保証機構に登録している業者を選択するほうが安心ではないでしょうか?



登録事業者のマーク

設計施工基準と現場審査

■設計施工基準
(財)住宅保証機構は、保証事故の発生状況を基に住宅の品質や性能を保持するための「設計施工基準」を定めています。
「設計施工基準」の内容を見ると細かく規定してあります。
少し目を引くのが地盤調査です。一戸建住宅の場合、軟弱地盤又は造成地盤等については原則として建築物の4隅以上の地盤の許容応力度が判断できる計測を行わなければならないと規定しています。
わかり易く言うと、地盤の悪い所は計画住宅の4隅をサウンディング調査などを行わなければならない‥と言うことになります。

■現場審査
一級建築士や住宅性能表示制度評価員など国家資格を持つ専門の検査員が、建築中に重要な部分について、保険の付保に必要な現場審査を行います。


戸建住宅は2回の現場審査があります。
 (1)基礎配筋工事完了時
 (2)屋根工事完了時

 

 

 


共同住宅等は3回以上の現場審査があります。
 (1)基礎配筋工事完了時
 (2)中間階床配筋工事完了時
 (3)屋根防水工事完了時

2013年08月07日

▶ せっかく建てる家です「住宅性能表示制度」で安心できる住まいを!

品確法による住宅性能表示制度

住宅性能表示制度とは、平成12年4月から施行された新しい法律で「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(以下「品確法」という)に基づく制度です。品確法は「住宅性能表示制度」を含む以下の3本柱で構成されています。

(1)施行日以降に売買・請負契約された、すべての新築住宅の基本構造部分などについては10年間の瑕疵担保責任期間を義務化すること。
(2)住宅の性能をわかりやすく表示する「住宅性能表示制度」を制定すること。
(3)トラブルを迅速に解決するための「指定住宅紛争処理機関」を整備すること。

※平成14年には既存住宅を対象とした性能表示制度が施行されました。


(1)10年間の瑕疵担保責任の義務

■消費者を保護する観点から
住宅は高価な買い物であり大切な財産です。万が一欠陥があった場合には消費者は多大な被害を受けることになります。
これまでの請負契約では1・2年の瑕疵担保期間で契約書を交わすケースが多かったことと思いますが、品確法では10年間の瑕疵担保責任が義務づけられました。

■10年未満の契約は無効です
新築住宅の基本部分に関して、契約時にどのような特約があっても建設会社に10年間の瑕疵担保責任が発生します。
仮に契約書で1年と定めてあっても、この取り決めは無効になります。また建築費の値引きなどを条件に期間を短縮するような交換条件を提示された場合であっても10年間は適用になります。

■10年保証の基本部分とは
対象となる部分は「構造耐力上主要な部分」(基礎、柱、床など)「雨水の侵入を防止する部分」(屋根、外壁、サッシなど)とされており、全ての部分ではありません。クロス等のめくれや外壁のヘアークラックなどは対象外になります。

■私の体験ですが‥
大阪在住の時代に某住宅の診断依頼を受け、スコップ・ハシゴ・懐中電灯などを車に積込んで行きました。
天井裏を照らして覗くと非常に細い構造材で施工も悪く、今度は外にでて基礎の形状を見るためスコップで‥本来は逆T型の基礎がI型で、結論として「手抜き工事」でした。
今でも、悪質な業者だと隠蔽部分などは手抜きが行なわれている可能性があります。また素人では分らないのが現実ではないかと思います、信頼できる業者に依頼しましょう。

■建設会社では‥
10年後に基本構造部分に欠陥(瑕疵)が見つかったら大変です。
仮に、基礎に大きなクラックなどが発生して欠陥(瑕疵)と判断されたらどうでしょう‥建物を持ち上げて基礎工事をやり直す必要が生じるかも知れません。
そこで、建設会社は「住宅性能保証制度」に登録し保険料を支払うことで、長期・短期の保証に備えるわけです。
登録する「住宅保証機構」には独自の設計施工基準を設けていて、現場審査などもありますので建設会社も機構の仕様にそって工事を進めていきます。


(2)住宅性能表示制度とは?  ※任意

■性能を比較できる
自動車やパソコンなどを購入するときに、カタログなどで性能を比較して決定されることと思いますが、住宅には今まで性能を比較する制度はなく‥テレビで宣伝してるハウスメーカーなどの謳い文句を、または大きい建設会社だから大丈夫だろう?でしか計るモノサシしかありませんでした。
しかし、品確法の住宅性能表示制度で、購入する住宅の性能レベルが表示されA社orB社の住宅が希望にあうかどうか選べるようになりました。

■建築主の希望するレベルで建てられる
マイホームを建てるときに、希望するレベルを指定して住宅を建てることができます。
例えば、この地域は地盤が悪くて地震が心配!夏涼しく、冬暖かくて省エネルギー住宅がいい!‥など希望するレベルで住宅を建築できます。

■住宅性能表示制度のメリット
 1.住宅の性能を設計・施工段階で、第三社がチェックするので安心。
 2.契約段階で希望する性能が書面で明確になり住宅の引渡しが約束されます。
 3.万が一、トラブルが発生しても迅速に解決を図る紛争処理機関を利用できます。
 4.新築時の性能が分るので、将来の中古住宅として売買するときもスムーズ。

■自分のニーズと予算を考えて‥
住宅性能レベルを、すべて最高ランクに要求することは合理的とは言えません。
一方を良くすると別の項目の性能が下がるなど、反対の結果になるものもあります。ライフスタイル、地域の気候・風土などを考慮して各性能を決めるべきでしょう。
性能レベルを高くすると比例して建築コストも高くなります。建築に限らず、良いものはそれなりに高くなりますので予算も考慮して決めるべきでしょう。


(3)トラブルを解決する指定住宅紛争処理機関

■裁判によらず紛争を円滑・迅速に処理
建設住宅性能評価書が交付された住宅については、指定住宅紛争処理機関(各地の弁護士会)に紛争処理を申請することができます。裁判によらず住宅の紛争を処理しますので、迅速に処理されます。紛争処理の手数料は1件あたり1万円です。

■トラブルはあります
電化製品を購入するのであれば、見て、触って、値段を見て納得して支払いを済ますわけですが‥住宅の場合は、まだ見えない物に高額の契約を結ぶことになります。立体的になると、素人でも分りますので‥トラブルになるケースは多々あります。
同じ地域の大工さんだからと言っても、万が一のトラブルに備えたほうがいいかも知れませんね。


住宅性能表示の項目とは?
性能項目と内容(一戸建ての住宅の場合)

構造の安定 地震や風等の力が加わった時の建物全体の強さ
火災時の安全 火災が発生した場合の避難のしやすさや建物の燃えにくさ
劣化の軽減 建物の劣化(木材の腐食等)を防止、軽減するための対策
維持管理への配慮 給排水管とガス管の日常における維持管理のしやすさ
温熱環境 暖冷房時の省エネルギーの程度
空気環境 内装材のホルムアルデヒド放散量の少なさや換気の方法
光・視環境 開口部の面積の大きさや位置
音環境 居室の外壁開口部に使用されるサッシの遮音性能
高齢者等への配慮 加齢等に伴う身体機能が低下した時の移動のしやすさや介助のしやすさ
防犯 開口部の侵入防止対策

※ 性能項目のなかに等級がありレベルを表します  例:等級3、等級2、等級1


制度の流れ
■設計段階
各性能項目のなかで、希望する等級レベルを選択して設計図書を作成します。
指定住宅性能評価機関に設計図書を提出して性能評価を受け、標章付きの「設計住宅性能評価書」の交付を受けます。

■見積り、契約
建築主は、作成した設計図書により建設会社に建築費の見積りを依頼します。予算などがOKなら契約に進みます。
契約書に「評価書」を添付した場合は評価書にかかれた性能のある住宅を建築することを契約したものとみなされます。ただし、契約書の上で項目を排除することはできます。

■工事段階
工事段階で3回(基礎工事時・棟上げ時・内装工事実施前)と工事完成時の計4回、評価機関の現場審査を受け、合格であれば標章付きの「建設住宅性能評価書」の交付を受けます。

■指定住宅性能評価機関とは
国土交通大臣に評価機関の申請をして、厳格な資格審査を経て指定を受けた第三者の民間機関です。
評価業務は建築士の資格を持った者が講習を受け「評価員」資格を取得した者が行ないます。

 

2014年07月07日

▶ 室内空気汚染による健康被害‥建築物のシックハウス対策と24時間換気について

「シックハウス」ってなんですか?

新築やリフォームした住宅やビルにおいて、建築材料などから発散する化学物質による室内空気汚染のことをシックハウスと言います。めまい、吐き気、頭痛、目、鼻、喉の痛みなど、居住者の様々な健康に影響が生じることを「シックハウス症候群」、「シックビルディング症候群」などと呼ばれています。


シックハウス対策のための建築基準法の改正
シックハウスによる健康被害を防止するため、2003年(平成15年)7月1日にシックハウス対策法令が施行されました。
それまでは、ビニールクロスの糊、建材などは有害な化学物質を使用していましたので、建築現場に行くと目がチカチカするような状況でした。

■主な原因物質ホルムアルデヒド
主な原因物質として取り上げられているのは、ホルムアルデヒドと呼ばれているものです。
子供の頃、学校の理科室の棚にあったカエルの標本は透明の液体に浸かっていましたが、あれはホルマリンといって強力な防腐剤です‥それが気化したものがホルムアルデヒドです。このホルマリンは、接着力が抜群で防腐・防カビ性能も高く、しかも安価ですので建材メーカーは当たり前のように使ってきました。
言い換えれば、新築住宅に入居することは‥気化したホルマリンを吸いながら生活をすることになっていたのです。

■シックハウス対策の概要
シックハウスの原因となる化学物質の室内濃度を下げるため、下記のような規制が導入されました。

(1) クロルピリホスの使用禁止
(2) 有害な化学物質の使用制限
(3) 24時間換気設備の義務付け

(1) クロルピリホスの使用禁止
主に、シロアリ駆除剤として木造住宅の土台などに使用されていた「クロルピリホス」は、通常の換気等で室内濃度を指針値以下に抑制するのが困難であることから使用禁止になりました。
ただし、建築物に用いれらた状態で5年以上経過した建築材料は使用禁止の対象から除外するようです。

(2) 有害な化学物質の使用制限
厚生労働省は、有害な化学物質の室内濃度の指針値を下記のように定めています。
公共住宅などは、完成後の室内環境測定が義務付けられており、化学物質の濃度が指針値以下かどうか測定します。

化学物質 指針値 主な用途
①ホルムアルデヒド 0.08ppm 合板、パーティクルボード、壁紙用接着剤などに用いられるユリア系、メラミン系、フェノール系等の合成樹脂、接着剤、糊などの防腐剤
②アセトアルデヒド 0.03ppm ホルムアルデヒド同様接着剤、防腐剤など
③トルエン 0.07ppm 内装材の施工用接着剤、塗料など
④キシレン 0.20ppm 内装材の施工用接着剤、塗料など
⑤エチルベンゼン 0.88ppm 内装材の施工用接着剤、塗料など
⑥スチレン 0.05ppm ポリスチレン樹脂などを使用した断熱材など
⑦パラジクロロベンゼン 0.04ppm 衣類の防虫剤、トイレの芳香剤など
⑧テトラデカン 0.04ppm 灯油、塗料などの溶剤
⑨クロルピリホス 0.07ppb シロアリ駆除剤
⑩フェノブカルブ 3.8ppb シロアリ駆除剤
⑪ダイアジノン 0.02ppb 殺虫剤
⑫フタル酸ジ-n-ブチル 0.02ppm 塗料、接着剤などの可塑剤
⑬フタル酸ジ-2-エチルヘキシル 7.6ppb 壁紙、床材などの可塑剤


(3) 24時間換気設備の義務付け
ホルムアルデヒドを発散する建材を使用しない場合でも、搬入される家具などから発散があるために原則として全ての新築された建築物に機械換気設備の設置を義務付ける。

(建材以外の化学物質の発生源)
 1. 新しい家具、カーテン、じゅうたん
 2. 家具や床に塗るワックス
 3. 防虫剤、芳香剤、消臭剤、洗剤
 4. 化粧品、香水、整髪料
 5. 開放型ストーブ


シックハウス対策
室内空気汚染による健康被害を防止するために、下記の3つの対策を満足しなければなりません!
(対策Ⅰ)内装仕上げの制限
(対策Ⅱ)24時間換気設備設置の義務付け
(対策Ⅲ)天井裏などの制限

(対策Ⅰ)内装仕上げの制限
内装仕上げに使用するホルムアルデヒドを発散する建材の面積制限をします。

<建築材料の区分>

建築材料の区分 ホルムアルデヒドの発散 JIS、JASなどの表示記号 内装仕上げの制限
建築基準法の規制対象外 放散速度5μg/㎡h以下 F☆☆☆☆ 制限なしに使える
第3種ホルムアルデヒド発散建築材料 5μg/㎡h~20μg/㎡h F☆☆☆ 使用面積が制限される
第2種ホルムアルデヒド発散建築材料 20μg/㎡h~120μg/㎡h F☆☆☆ 使用面積が制限される
第1種ホルムアルデヒド発散建築材料 120μg/㎡h超 旧E2、Fc2又は表示なし 使用禁止






 F☆☆☆☆
 (フォースター)

有害な化学物質を発散しない安全な建材です。



建材などのメーカーは、建築基準法の改正に合わせて「制限なしに使える」の商品に移行しましたので、一部の商品を除きF☆☆☆☆ですので安心です。

(対策Ⅱ)24時間換気設備設置の義務付け
原則として全ての建築物に機械換気設備の設置を義務付けます。
換気設備には、下記のような3種類の換気方法がありますが個人住宅では第3種換気設備が一般的です。

 給気機+排気機      給気機+排気口     給気口+排気機

       給気口                 24時間排気機

(対策Ⅲ)天井裏などの制限
天井裏などから居室へのホルムアルデヒドの流入を防ぐための措置をします。
次の①~③のいずれかの措置が必要になります。

①建材による措置
天井裏などに第1種、第2種のホルムアルデヒド発散建築材料を使用しない(F☆☆☆以上とする)
②気密層、通気止めによる措置
気密層または通気止めを設けて天井裏などと居室とを区画する。
③換気設備による措置
換気設備を居室に加えて天井裏なども換気できるものとする。


室内空気環境測定をしましょう
実際に化学物質が指針値以下か否かを測定します。
検査費用は安いので完成後に実施されたら安心ではないでしょうか。

<アクティブ型サンプリング><パッシブ型サンプリング>

24時間換気の問題点
24時間換気の目的は、室内の空気汚染による健康被害を防止することで、単に外気を取り入れ、室内の有害物質を排気することですが‥問題点は多くあります。

<問題点>
(1)換気扇を付け放しにすると冷暖房の効きが悪いのでスイッチを切ってしまう。
(2)換気扇のファンの音がうるさいのでスイッチを切ってしまう。
(3)電気代がもったいないとの理由でスイッチを入れない。
(4)冬期に外気が入ってくると寒いので給気口を閉じてしまう。

以上のような理由で換気扇・給気口を止めてしまうようです、この対策は、現状にそぐわないようですので100%有害物質を発散しない建材・家具などが必要ではないでしょうか?

外気を取り込めばOKなの?
24時間換気とは、外気を取り込み、室内の汚染した空気を外に排出することですが‥はたして、その通りでしょうか?
大気が汚染した都市部と、空気の綺麗な田舎では違います。
いまは、給気口用のフィルターが販売されていますので花粉・ホコリ・排気ガスなどはある程度は除去できるようです。
このシックハウス対策は、地域性を考慮していませんので、大気の汚染した地域などはフィルターで防ぐなど対策が必要です‥高機能な空気清浄機を設置したほうが良いかも知れませんね!?

       大気の汚染した地域

       空気のきれいな地域

2003年05月22日

▶ 住宅内で圧倒的に多い階段での事故‥では、どのような階段が安全なの?

階段は事故の多発地帯、住宅の中でも危険な部分!
平成17年の人口動態統計によると階段からの転落による死亡事故は485人となっており、高齢になるほど死亡率が高くなっています。マイホームを建てるとき、予算の問題、敷地の有効利用などで2階建てで計画されるのが一般的だと思います。

■建築基準法では
住宅の階段は踏面≧15cmけあげ≦23cmと規定してあります。この最低限の規定で階段を造ると勾配は約56度、まるで梯子のような階段になり非常に危険です。

■理想としては
30度~35度程度が最も昇りやすいとされていますが一般的に造られる階段は45度位と思われます。手摺りは建築基準法で設置が義務付けられていますので少なくとも片側には手摺りが必要です。






急勾配の階段は非常に危険です





折曲がり階段で中間に踊場を設けるのがベスト
形状としては直階段、回り階段、直&回りの組合せ階段、折曲がり階段などがあります。

■折曲がり階段では
万が一足を滑らせ転落した場合には踊場で止まるために被害が少ないことが予想されます。

■直&回りの組合せ階段では
回り部分で踏み板の出幅が左右で違いますので足を踏み外しやすく事故が起きやすい階段です。

■建築基準法での測定方法は
踏面≧15cmは狭いほうから30㎝の位置で踏面寸法を測定しますので、その位置で15㎝以上あればOKになります。しかし、大人の足でははみ出しますので不安定な状態での昇降になり危険です。

直階段○  直&回り下部△  直&回り上部×


 回り階段×        折曲がり階段◎


手摺りをつける
階段の安全対策として手摺りの設置は基本です。
階段の昇降でヒヤッとした経験はありませんか?例えば、つまずいたりした時に反射的に何かを掴もうとしますが何もないと転落して怪我に至ることに。その時に手摺りがあると命拾い?をするかも知れません。

■できれば全長に、両側に
手摺りを階段全長にわたって、両側に付けるのが理想ですが‥予算などの関係もありますが片側には必ず付けましょう。高さは80cm~85cmが適当です。子供用に一段下にもう1本手摺りが設けられればさらに安心です。




 
 

手摺りを付けましょう




できるだけゆるやかな勾配に
階段の昇降には労働負荷がかかり、急勾配な階段ほど負荷が大きく危険になります。特に高齢になると階段の昇降はシンドイものです。

■住宅性能表示では
踏面=22cmけあげ≦21cm 踏面と蹴上の関係による計算式の場合(55cm≦けあげ×2+踏面≦65cm)

■兵庫県福祉のまちづくり条例では
踏面24cm~26cm けあげ15.5cm~19.5cm 踏面と蹴上の関係による計算式の場合(55cm≦けあげ×2+踏面≦65cm)

■住宅金融公庫の高規格住宅では
踏面≧21cmけあげ≦18cm 踏面と蹴上の関係による計算式の場合(55cm≦けあげ×2+踏面≦65cm)




ゆるやかな勾配とは?
 踏 面≧21cm
 けあげ≦18cm(約40度)



幅の広い階段に!
建築基準法では、有効幅75cm以上でOKとなっていますが階段も通路と同じで昇降者がすれ違います。
実際には、どちらかの者が横になって相手を通行させないと前に進めません、基準法では人間の肩幅60cmを基準に考えていますので支障なく通行するには最低でも120cm必要になります。

■有効幅98cmでは
K邸の階段では有効幅98cmにて設計しましたが、京間で16.5㎝広いだけなのに非常に広く感じられる階段になりました。

■将来のために
お年寄りの介護は1階でできれば良いのですが2階での介護になると大変ですし、季節の変り目には大きな荷物のもって上がり下りとなると重労働になります。
後で階段を広くすると言うのは無理が生じます、計画段階からゆとりのある階段にされてはどうですか?





幅は広いほうが‥





足元灯で明るく!
階段室に付ける照明は何処が一番良いのでしょうか?窓があれば昼間は明るいでしょうが、日が沈むと暗くなります。壁or天井の照明は必要です。

■足元灯(フットライト)をつけて明るく
階段での昇降時に目線は足先を見ています、壁あるいは天井に照明が付いていてもいいのですが場所によっては自分の影で足元が見えにくくなります。できれば2~3段置きに足元灯をつけて明るくしましょう。

■足元灯はセンサ付き常夜灯で安心
階段の昇降時に、少々暗くても電気代がもったいないとか、薄暗いけど見えるからと照明を点けないことありませんか?危ないかも‥センサ付きの常夜灯だと、暗くなると点灯、明るくなると消灯、人が通ると感知して点灯しますので安心です。消費電力も少なく経済的な照明です。

     足元を明るく

2008年04月08日

▶ 熊本県で震度7の大地震が発生して損壊被害、あなたの住宅は大丈夫ですか?

耐震化率は82%、約900万戸が無防備な状況(2013年推計値)

■熊本県は地震の発生頻度が少なかった
熊本県で大きな災害になった一つの要因は過去何十年も大きな地震がなかったことである。
また熊本県では、国が定めた「地震地域係数」が関東や東海・近畿地方が1に対して0.8~0.9と低く、地震時に建物にかかる力をこの割合だけ低く設定できるため被害が増えた可能性がある。
全国平均の耐震化率は82%で、約900万戸の住宅がが無防備な状況だが‥高齢化が進み工事費用もかかるので耐震化に二の足を踏む人が多く、今後他の地域でも同じような災害が起きることが予想される。

■耐震化率をあげると死者は激減する
ちなみに、兵庫県の耐震化率は85.4%と全国でもっとも高いのは阪神大震災を経験したからだろう、もっとも低かったのは島根県の70%で早急な耐震化が必要な地域である。
政府の中央防災会議では、南海トラフ巨大地震で建物倒壊による死者は最大で3万8000人と試算しており、耐震化率を90%にすると4割、100%にすると8割以上の死者を減らすことができるという、耐震化の必要性を理解することが望まれる。


1981年以前の建物は危ない!
■損壊被害は1981年以前の「旧耐震基準」に多くみられる
旧耐震基準では震度5強程度で損傷しないことが求められていたが、1981年6月に建築基準法を改正し耐震基準が強化され震度6強~7程度に引き上げられた。
阪神大震災の被災地では、1981年以前に建てられた建物に被害が集中、建物や家具の下敷きになり亡くなった人は約4800人と、直接的な死亡原因の88%を占めたとされるが、熊本でも同様な状況であった。

 


新耐震基準による建物は大丈夫!?
■新耐震基準の建物も倒壊した
熊本県では、新耐震基準による建物も倒壊した。
事由として、九州地方では重い瓦屋根が多い‥いわゆるトップヘビーだ、地域の風土で瓦が好まれたのだろうが台風の被害を受ける地域は瓦屋根が多い。
一般的に、瓦屋根は台風の風雨には強いが地震の揺れには弱い、阪神大震災のあと神戸などの被災地では瓦が無くなったといわれるほど瓦屋根は少なくなった。

■震度7が2回は想定外
もう一つ、震度7の地震に繰り返し襲われたことである、1回目の地震で傾き、2回目の地震で倒壊したと推測される、注意すべきは新耐震基準では大地震が2回も繰り返すことは国交省も想定していない。
一方で、2014年11月の最大震度6弱を記録した長野県北部地震では犠牲者はゼロ、豪雪地帯特有の頑丈な建物が一因と指摘されているが、構造材を太くすれば繰り返す大地震に耐えられるかも知れない。

まずは自宅の耐震診断を!
■自宅の状況を知ることが大切です
人間の体に例えると、市民検診または人間ドッグだが‥住宅の耐震診断をして健康なのか、治療(改修)が必要か点検することが必要ではないでしょうか!?
全国に、我々のような建築士(簡易耐震診断の有資格者)がおり、自治体に申請をすれば派遣され住宅の診断をおこないます、一般的に無料か、一部負担金が必要だが自宅の健康状況を知ることができる。
ただ、過去におこなった簡易耐震診断では、総合評点が0.7未満で「倒壊または大破壊の危険があります」の判定が多くあり、耐震改修をしない場合は命の危険があります。

■耐震診断費用、改修費用はいくら?
耐震診断には5万~15万円程度かかる。その結果、改修することになれば設計に20万~30万円、工事に100万~210万円程度かかるが、いずれも多くの自治体に補助制度があるので上手に利用するべきである。

簡単で安くできる地震対策はないのか?
■耐震シェルターの設置
家は老朽化しており、多額の費用をかけて耐震改修する価値がなく、また改修資金もないと言うのが現実かも知れない。
いつ、地震がくるのか、来ないのか、分からないものにお金は出せないと言われる方には「耐震シェルター」の購入が良いのでは‥金額は20万円程度、さてどこに置くのか?物置になりそうな感じですが‥

          耐震シェルター

       耐震シェルターB耐荷重25トン

■1階の寝室を耐震シェルター化する
自宅の全部を耐震改修すると多額の費用が必要になるが、部分的に1部屋をシェルター化すれば費用は安くなる。
例えば、1階の寝室のみを耐震シェルターとして補強すれば、地震が発生した場合は寝室に逃げれば良い。
寝室は2階にしか無いという方は、圧死しないためにも1階に寝室を設け耐震シェルター化したほうが良いと思います。

 

2016年05月18日

▶ 新築住宅に瑕疵がある場合、保険金を受け取るには10年経過するまでに調査を!

新築から10年を過ぎると保険金は受取れません!

■主要な部分の瑕疵には最大2,000万円の保険金が支払われる
住宅を新築したら、施工業者は国交省から指定された保険法人と保険契約を締結します。
期間は10年間で、構造耐力上主要な部分と、雨水の侵入を防止する部分の瑕疵に対して最大で2,000万円の保険金が支払われます。


■具体的な瑕疵(きず・欠陥)とは?
柱、基礎、外壁、屋根などですが‥壁にクラックが入っているとか、天井にシミがあるとか、天井裏できしむような音がするとか、基礎巾木に大きなクラックがあり建物が少し傾いているような感じ‥などです。
一般的に、地盤が沈下していたり、構造材が不適切な場合とかに、建物の弱い所に力が集中してクラックなどを生じさせます、結果として建物の傾きとか、雨漏りなどが発生します。
マイホームの建築は一生に一度の買い物と言われます、10年保証の期日までに瑕疵(きず・欠陥)の有無を調査をしてください、期日を過ぎると保険金は受取ることができません。


10年後の調査は任意です、自発的に調査を!
■施工業者には調査義務はありません
新築から10年経過しても、施工業者(建築業者・ハウスメーカー・大工)から瑕疵(きず・欠陥)について調査をしましょう‥などと言ってきません。
瑕疵保険に入ることは義務ですが10年後の調査は義務ではありません‥もし、住宅に保険対象となる瑕疵(きず・欠陥)があるようなら第3者の建築士などに調査依頼をご検討ください。
一般的には目視で、内外の壁、天井裏、床下などを観れば大体は分かりますが、建物の傾きや床面の水平などを確認するには機器が必要になります。

2000年4月に、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づき10年間の瑕疵担保責任を負うことが義務付けられましたが、すべての地盤において調査(SS試験など)は義務ではありませんでした。
地盤調査が義務になったのは2009年10月の「住宅瑕疵担保履行法」制定以降ですので、2009年9月までは安易な現地調査だけで基礎の設計をおこなった案件があると思われますので、地盤調査報告書の有無についても確認をする必要があります。


施工業者とトラブルになった場合は
■住宅紛争処理センターに相談を!
一般には、保険対象の瑕疵として施工業者が補修すれば、保険法人より施工業者に保険金が支払われますが、事業者が倒産、死亡などにより相当の期間を経過しても瑕疵担保責任が履行されない場合があります。
そのような場合は住宅取得者に直接保険金が支払われることになります。

厄介なのが、施工業者が瑕疵(きず・欠陥)を認めずにトラブルになることがあります。
そのような場合には住宅リフォーム・紛争処理支援センターに電話相談ください、弁護士や一級建築士など専門家による公平な判断が得られ申請費用は1万円のみです。


2012年10月16日

▶ 埋設された給水管などの漏水場所は特定が難しく、床下露出配管を推奨します!

水道料金が異常に高くなったら漏水の疑いがあります!

■水道水の請求金額が高額になったら、どこかで漏水をしています!
住宅は新築してから、築後10年周期で傷み(経年劣化)がでてきます。
屋根・外壁などは過酷な外部環境で劣化しますが‥一番早く劣化するのは水廻りです。
浴室、台所、洗面所、トイレなど、毎日使用する衛生機器が傷んできますが一番やっかいなのが給水管の劣化による漏水です。
「え~水道料金がメチャ高い」と驚くころにはメーターが24時間中廻っていて3ヶ月くらいは経過しています。
水を使用していないことを確かめ、量水器の蓋を開けてメーター指針のそばにあるパイロットがクルクルと廻っていれば漏水です!
取合えずは、止水栓を閉じれば漏水は止まりますが‥それでは生活ができませんので水道屋さんに修理を依頼するのですが、漏水場所を見つけるのは困難な作業になります。

■どのような方法で漏水場所を特定するのか
浴室、台所、洗面所、トイレなど水廻りを目視で手探りで点検していきます。
周辺が濡れていないか、漏水音はないか、懐中電灯を片手に消去法で点検していきます。
この時点で漏水場所が特定できれば修理費は安いですが一般的には特定できないことのほうが多いようです。
最後は床下の点検です、床下へ潜り、濡れていないか、漏水音はないか、懐中電灯を片手に確認していきますが、以前の建物は配管を地中に埋設しており非常に困難な作業になります。
それでも漏水場所を特定できない場合は、漏水調査会社に依頼して漏水探知機での作業になりますが高額な費用が必要になります。

今まで地中に配管を埋設してきた住宅!

■2009年10月以前の住宅は地中埋設が多い
平成21年10月「住宅瑕疵担保履行法」の制定で地盤調査が義務化されましたが、義務化前は布基礎が主流でしたので多くの住宅は床下の地中に給排水管を埋設していました。
阪神・淡路大震災の地震では地中で配管(給水管・排水管)が破損して修理・復旧が大変でした。特に、建物下部の埋設管は人力作業になりますので多額の費用が発生しますので注意が必要です。

     給排水管を埋設した住宅の基礎(布基礎)

     給排水管を埋設した住宅の基礎(ベタ基礎)

漏水しても安心な床下露出配管!

■将来、漏水しても困らないように床下に露出配管を!
地盤調査が義務化になってからは、「考察」で地盤補強が必要、ベタ基礎が適切などと謳われ‥建築業者も瑕疵が発生するのを嫌い、以降はベタ基礎が主流になりました。
それと共に、平成12年より施行されていた住宅性能表示制度による「維持管理への配慮」を採用する業者が増えたことが要因と思われますが、床下に露出で配管をするようになりました。


           床下の露出配管(ベタ基礎)

床下へ潜れるように点検口の設置を!

■床下の露出配管を点検するための床下点検口
床下に給排水管を露出で配管しました、これで漏水しても修理は超簡単です!
将来、床下に潜って点検ができるように「床下点検口」を設置しましょう!
ご存知かもしれませんが、床下は夏でもかなり涼しいトコですので梅酒や味噌などを寝かせるには絶好の場所です、床下収納庫を設置したほうが実用的です。


         床下の点検を兼ねた床下収納庫

  • 一級建築士が提案する「安全で安心な家」とは!
2017年01月04日

▶ 意外と知らないエコキュート給湯器の弱点!

時代の流れはエコキュート!

■大気の熱と割安な深夜電力を使ってお湯を沸かす給湯機
メーカーの謳い文句は‥
 1、大気中の熱を利用してお湯を沸かすクリーンな給湯機です。
 2、割安な深夜電力を使うので昼間の電力使用量を抑えられます。

昨今の新築住宅はエコキュートが主流である。
また、灯油ボイラーなどからエコキュート給湯機に替えオール電化にする家庭も増えている。東北の原発事故で普及はダウンしたが、時代の流れはエコキュートだろう。ただ、エコキュートに替えて不満の声もあり、灯油ボイラーを更新する家庭もある。
弊社の設計業務では、お客様に正しい情報を提供して給湯機を決めて頂いている。
以外と知らないエコキュートの弱点とは!


弱点-1 湯切れと割高な昼間の電力料金

■タンクの湯が無くなると冷たい水になる
寝ている深夜(23時~翌日の7時まで)にエコキュートはお湯(90℃くらい)を沸かします。
沸き上りから使用する20時頃には冷めていますので‥実際の温度は75℃~80℃くらいです。
タンクに溜まったお湯を、水を混ぜながら適温にしてキッチン、洗面、シャワー、浴室などで使用しますがタンクのお湯が無くなれば水しか出なくなります。
よって、入浴人数が多かったり、一人が多量の湯を使うなどすると「湯切れ」を起こします。
湯が無くなると、「おまかせモード」機能が働きお湯を沸かしますが、100㍑沸かすのに1時間ほど待つことになります。
また、湯切れを防止するために「沸き増し」スイッチがありますが、一般に入浴タイムは23時までが多く沸き増しに使用する電力は割高な電力料金です‥「なぜ電気料金が安くならないの?」と不満がでます。

 


弱点-2 将来の世帯人数増に対応できない

■設置するタンク容量は大き目が良いが人数増には対応できない
メーカーは、「家族人数の1.5倍のタンク容量を選んでください」と言います。
例えば、家族人数が4人の場合は6人対応の460L程度の給湯タンクを勧めますが‥
将来、息子夫婦と同居するなど、家族が増える場合はエコキュートのタンクは対応できませんので、容量の大きなタンクに交換する必要がありますが‥ただタンクの大きさにも限界があります。

割安な夜間電力によるエコキュートやオール電化に変更しても、昼間の割高な電力を使う状況が発生すれば電気料金は安くなりません。「昼間沸き上げ停止」機能を使えば使用電力を抑えることができますが、タンク容量以上にお湯を使う状況になると割高な昼間電力を使うしかなく、電気料金は高額になります。

弱点-3 低周波音による騒音

■低周波音による健康被害の事例
消費者庁の安全調査委員会より、エコキュートよりでる低周波音で健康被害(不眠症、自律神経失調症など)が新聞紙上で紹介されています。
田舎などは近隣家屋と距離があり‥そうそう問題はないと思われますが、都市部などでは隣家と距離がないので低周波音が問題視されると思われますが、不眠などで訴訟に至るなど問題が発生しています。


弱点-4 耐用年数は未知数

■2001年に発売されたエコキュートの耐用年数は?
エコキュートの耐用年数は設計寿命から考えると10年とされています。
ただ、この10年の寿命はヒートポンプユニットに限り、それ以外の部分は15年以上と考えられています。
エコキュートの室外機の寿命は、冷媒回路に異常がなければ30000時間とされており10年が寿命と考えて良いでしょう。
保証期間を過ぎてから故障した場合に、修理がきかないヒートポンプユニットの場合は全部交換することになりますので数十万円の費用が発生することになります。ともかくは、エコキュート設置10年後くらいには数十万円の費用がいるかも知れないと言うことです。

弱点-5 電源と停電時の使用

■停電した場合に使えるのは
停電したら、どの電化製品も使用はできませんが‥エコキュート給湯機の場合は、シャワーのみ使用できますが蛇口からの出湯(風呂)は不可になります。
一般的な電化製品は、100V電源ですので身近にコンセントが有れば電気工事不要ですが、エコキュートは単相200V電源になりますので電気工事が必要になります。
最寄りの電柱より引込みをしますので、電力会社へ申請が必要になりますが年末年始などの休暇があると1ヶ月以上は待たなければなりません。

2018年07月07日

▶ 老後のために住宅をリノベーションしたいが、どのようにしたら快適なの?

会社を定年退職した方からの問い合わせです。
若い頃に住宅ローンを組んで建てたマイホーム、32年が経過してリフォームを考えるが‥今はバリアフリーの時代である。
老後のことを考えてリノベーション(機能・性能の向上)をして快適な生活をしたいがどのようにしたら良いのだろうか?

住宅など建物は永久ではありません、浴室・トイレ・台所など水廻りは特に老朽化が早く進みますし、昔の住宅は段差が多く老後の生活には不向きと言えるでしょう。
また、特別養護老人ホームは空きがなく待機されている方が多く、大金を積んで遠方の施設を探すか、住宅をリノベーションしてデイサービス(通所介護)を受けるしかないのが現状ではないでしょうか。

住宅のなかは安全‥誰もが思っていますが
厚生労働省「人口動態統計」によると、家庭内事故死の総数12152人、その内訳は、窒息(食べ物による窒息をふくむ)3768人、溺死3632人、転倒・転落2260人、火災1319人、中毒445人、その他728人(平成24年)

▼ 階段に手摺りを付けましょう!
階段での転落事故で年間600人ほどの方が亡くなっています。
そのような状況で、2000年に建築基準法が改正され「手摺りの設置が義務」になりましたが、それ以前は手摺りの無い住宅が多く、怪我をしないように手摺りを付けましょう!



▼ 脱衣室、浴室を温かくしましょう!
ヒートショックという言葉を聞いたことはないでしょうか?
入浴中に亡くなるのは年間約4000人と推測されていますが、原因の多くはヒートショックである可能性があります。
冬場の入浴では、暖かい居間から寒い浴室へ移動するため、熱を奪われまいとして血管が縮み血圧が上がります。
お湯につかると血管が広がって急に血圧が下がり血圧が何回も変動することになります、 血圧の変動は心臓に負担をかけ心筋梗塞や脳卒中に繋がりますので危険です。


脱衣所や浴室に暖房器具を設置するなどして暖かくしておくことが最も重要です。
浴室内に暖房器具がなくても、浴槽にお湯を溜めるときにシャワーを使って高い位置から浴槽に注いだり、お湯を張った浴槽のフタを開けておくなどすれば浴室内は暖まります。
脱衣室で裸になると「寒い~!」が一番悪い状態です、暖房機などで部屋を暖めてから服を脱ぎましょう。

※壁掛型暖房機、人感センサーですぐに暖かくなります!


▼ 古いタイプの浴室は新しくしましょう!
在来工法の古いタイプの浴室は冬場は特に寒いところです。
組立式のユニットバスも販売当初は断熱がしてなく寒い浴室でしたが、現代のユニットバスは360度(床・壁・天井)を断熱材で包み込むタイプに変貌しており、冬場でも暖かく、低温のサウナに入っているような感じで寒さを感じません。

※在来工法の寒い浴室

 

※360度を断熱材で包み込んだユニットバス

安全のために手摺り・ハンドバーも付けましょう。


▼ トイレも暖かくして手摺りを付けましょう!
住宅のレイアウトを考えると、どうして便所は北側になります(南側は居間、食堂、寝室などになるため)
冬場の便所は寒く血圧が変動する危険な場所かも知れません、また高齢で足腰が弱くなると、しゃがむ、立ちあがる等の動作もままならないようになりますので、暖房器具を置き暖かくして、安全のために手摺りを付けましょう。



▼ ドアは引戸に変えましょう!
日本の住宅は、和洋折衷から和室が無くなり洋風になりつつあります。
洋風となれば各部屋のドアは片開き戸になりますが‥将来、車椅子生活になったら開き戸では開いた時に車椅子に当たりますのでスムーズに出入りができません、有効開口幅は800mm以上必要です。
病院の診察室・病室など‥すべてのドアは引戸です、高齢者・車椅子などは開き戸はNGなんです。



▼ 玄関ポーチにスロープを設置しましょう!
誰しも車椅子の生活にはなりたくないですが
歩行が困難になったら、今の時代では車椅子(電動も有り)で移動するしかありません。
自力走行の場合や介助者での走行で勾配が違ってきますが、一般的には長いスロープになります。





▼ 玄関土間に昇降機を設置しましょう!
玄関は広いほうが良いですが
今の住宅は狭い玄関が多く、車椅子用のスロープ(緩やかな勾配)を設けるのが困難です。
玄関昇降機は色々なタイプがありますが、玄関土間に埋め込むタイプが一番シンプルで場所も取らず良いと思います。

最後に
国土交通省では「健康維持増進住宅研究委員会」が組織され研究成果が順次公表されています。
委員会では、住宅の室内環境性能が優れ、快適であれば、居住者の各種疾病割合が改善されるとし、それによって医療費と休業損失が軽減される経済価値を示しているとのこと。
要は、快適な住宅に住めば病気になることが少なくなり、増え続ける医療費を抑制することができるのです。

 

2020年06月28日