▶ 意外と知らないエコキュート給湯器の弱点!

時代の流れはエコキュート!

■大気の熱と割安な深夜電力を使ってお湯を沸かす給湯機
メーカーの謳い文句は‥
 1、大気中の熱を利用してお湯を沸かすクリーンな給湯機です。
 2、割安な深夜電力を使うので昼間の電力使用量を抑えられます。

昨今の新築住宅はエコキュートが主流である。
また、灯油ボイラーなどからエコキュート給湯機に替えオール電化にする家庭も増えている。東北の原発事故で普及はダウンしたが、時代の流れはエコキュートだろう。ただ、エコキュートに替えて不満の声もあり、灯油ボイラーを更新する家庭もある。
弊社の設計業務では、お客様に正しい情報を提供して給湯機を決めて頂いている。
以外と知らないエコキュートの弱点とは!


弱点-1 湯切れと割高な昼間の電力料金

■タンクの湯が無くなると冷たい水になる
寝ている深夜(23時~翌日の7時まで)にエコキュートはお湯(90℃くらい)を沸かします。
沸き上りから使用する20時頃には冷めていますので‥実際の温度は75℃~80℃くらいです。
タンクに溜まったお湯を、水を混ぜながら適温にしてキッチン、洗面、シャワー、浴室などで使用しますがタンクのお湯が無くなれば水しか出なくなります。
よって、入浴人数が多かったり、一人が多量の湯を使うなどすると「湯切れ」を起こします。
湯が無くなると、「おまかせモード」機能が働きお湯を沸かしますが、100㍑沸かすのに1時間ほど待つことになります。
また、湯切れを防止するために「沸き増し」スイッチがありますが、一般に入浴タイムは23時までが多く沸き増しに使用する電力は割高な電力料金です‥「なぜ電気料金が安くならないの?」と不満がでます。

 


弱点-2 将来の世帯人数増に対応できない

■設置するタンク容量は大き目が良いが人数増には対応できない
メーカーは、「家族人数の1.5倍のタンク容量を選んでください」と言います。
例えば、家族人数が4人の場合は6人対応の460L程度の給湯タンクを勧めますが‥
将来、息子夫婦と同居するなど、家族が増える場合はエコキュートのタンクは対応できませんので、容量の大きなタンクに交換する必要がありますが‥ただタンクの大きさにも限界があります。

割安な夜間電力によるエコキュートやオール電化に変更しても、昼間の割高な電力を使う状況が発生すれば電気料金は安くなりません。「昼間沸き上げ停止」機能を使えば使用電力を抑えることができますが、タンク容量以上にお湯を使う状況になると割高な昼間電力を使うしかなく、電気料金は高額になります。

弱点-3 低周波音による騒音

■低周波音による健康被害の事例
消費者庁の安全調査委員会より、エコキュートよりでる低周波音で健康被害(不眠症、自律神経失調症など)が新聞紙上で紹介されています。
田舎などは近隣家屋と距離があり‥そうそう問題はないと思われますが、都市部などでは隣家と距離がないので低周波音が問題視されると思われますが、不眠などで訴訟に至るなど問題が発生しています。


弱点-4 耐用年数は未知数

■2001年に発売されたエコキュートの耐用年数は?
エコキュートの耐用年数は設計寿命から考えると10年とされています。
ただ、この10年の寿命はヒートポンプユニットに限り、それ以外の部分は15年以上と考えられています。
エコキュートの室外機の寿命は、冷媒回路に異常がなければ30000時間とされており10年が寿命と考えて良いでしょう。
保証期間を過ぎてから故障した場合に、修理がきかないヒートポンプユニットの場合は全部交換することになりますので数十万円の費用が発生することになります。ともかくは、エコキュート設置10年後くらいには数十万円の費用がいるかも知れないと言うことです。

弱点-5 電源と停電時の使用

■停電した場合に使えるのは
停電したら、どの電化製品も使用はできませんが‥エコキュート給湯機の場合は、シャワーのみ使用できますが蛇口からの出湯(風呂)は不可になります。
一般的な電化製品は、100V電源ですので身近にコンセントが有れば電気工事不要ですが、エコキュートは単相200V電源になりますので電気工事が必要になります。
最寄りの電柱より引込みをしますので、電力会社へ申請が必要になりますが年末年始などの休暇があると1ヶ月以上は待たなければなりません。

2018年07月07日