▶ 住宅取得者を保護する目的で「住宅瑕疵担保履行法」が2009年10月施行に!

なぜ、このような法律ができたの?

■耐震強度偽装事件
2005年(平成17年)に明らかになった、姉歯一級建築士による耐震偽装事件!
正しくは「構造計算書偽装」で、RC造のマンションなどの構造計算書を偽装して耐震強度を偽っていました。
その、建築確認の段階で審査機関が偽装を見抜けず‥マンションなどは建築販売され住宅購入者は入居。後に、強度が不足しており地震で倒壊の恐れがあるなどで解体して建て替えることになりました。

■責任は誰に?
国交省、審査機関、建設業者、販売会社‥責任のなすりあいで国は責任を取っていません!あとの各業者は、指定を取り消されたり、資格を剥奪されたり、社会的信頼を失い倒産しました。
※2009年2月24日、名古屋地裁で県の過失を認めた判決が始めてでました。

■住宅購入者は
責任の所在がハッキリせず、建て替えることになった購入者は災難です‥業者に購入金の返還請求をしようにも既に倒産しています‥現在二重ローンに苦しんでおられます。
建て替えがなくても、住まいを失い、残ったのは住宅ローンだけです‥非常に悲しいことです!

■そして国交省は
このような人災を二度と起こさないように国は法律の改正・制定を行いました。
現在、関係業者を徴集して「住宅瑕疵担保履行法」の無料講習会を全国で開催しています、2009年10月1日の施行に向けて周知している所です。
罰則・罰金規定もあり、業者にとっては戦々恐々かも知れませんが、これからマイホームを取得される方を保護しようとする法律です‥良いことではないでしょうか!?


改正された法律とは?
■建築基準法の一部改正
  (1)建築確認・検査の厳格化
  (2)指定確認検査機関の業務の適正化
  (3)建築士などの業務の適正化、罰則の強化など
  (4)住宅の売主等の瑕疵担保責任の履行に関する情報開示

おおまかな改正として、建築確認済証の交付期間の延長、一定規模以上の建築物について「構造計算適合性判定」が必要になり、違反者には懲役または罰金などがあります。※違法行為による懲役・罰金の規定は建築主(依頼者)にも適用されます

■建築士法などの一部改正
  (1)小規模木造住宅に係る構造関係規定の審査省略見直し
  (2)建築士の資質・能力の向上
  (3)高度な専門能力を有する建築士による構造設計及び設備設計の適正化
  (4)設計・工事監理業務の適正化など
  (5)団体による自律的な監督体制の確立

おおまかな改正として、一般的な木造住宅の図面審査が厳しくなり、高度な専門能力を有する新たな資格が誕生し、定期講習の受講義務化、違反者には懲役または罰金などがあります。

■期待される効果
建築基準法での罰則は、最大で1億円以下の罰金、3年以下の懲役。
建築士法での罰則は、最大で100万円以下の罰金、1年以下の懲役。
建築基準法と建築士法で違反した場合には、併合罪が科せられることになりますので違反行為の抑制効果が期待できると思います。

制定された法律とは?
■住宅瑕疵担保履行法
この法律は、平成12年4月施行の「住宅の品質確保法の促進等に関する法律」で定められた10年間の瑕疵担保責任を履行するための措置を住宅供給業者(売主・請負人)に義務付けています。

■具体的に住宅瑕疵担保責任履行法とは?
瑕疵担保責任履行のための資力確保を義務付けるもので、次のどちらか(供託または保険)を選択しなければなりませんが、組み合わせて利用することも可能です。


<対象となる住宅>
新築住宅
(例)戸建住宅、分譲マンション、賃貸住宅(公営住宅、社宅なども含む)

<対象外のもの>
新築住宅でないもの、住宅ではない建築物
(例)建設工事完了日から起算して1年を経過した住宅、事務所、倉庫、物置、車庫など


「瑕疵」とは
一般的にキズや欠陥のことをいいますが、法律上は「請負契約で定められた内容や建物として通常期待される性質ないし正常を備えていないこと」をいいます。

「瑕疵担保責任」とは 
引き渡された新築住宅に「瑕疵」があった場合に、その瑕疵を修補したり、賠償金の支払いなどをしなければならない責任のことをいいます。つまり、新築住宅の請負業者や分譲業者が引き渡した住宅に瑕疵が見つかった場合に負わなくてはならない責任のことです。

「供託」とは
法令の規定により金銭などを一定の者に寄託(あずけ頼む)すること。

資力確保を義務つけられるのは誰?
「保険への加入」または「保険金の供託」(資力確保)が義務付けられるのは、発注者に新築住宅を引き渡す「建設業者」および「宅建業者」です。
義務付けられた業者は、国土交通大臣が指定した「住宅瑕疵担保責任保険法人」と保険契約を締結します。
※保険や供託による資力確保措置を講じないなど違反行為には1年以下の懲役か100万円以下の罰金、または その両方に処せられます。


紛争処理体制
住宅の新築や購入などで、争いがなく円満に終われば良いのですが‥請負人と建築主の間で紛争が生じることもあります。
この保険が付された住宅の売主や請負人とその買主や発注者との間で紛争が生じた場合、消費者保護の観点から住宅専門の紛争処理機関において、適切かつ迅速な紛争処理が受けられる体制になっています。
当事者は1万円程度の負担で、専門家による紛争処理を受けられることになります。


簡単に言うと
建設業者などに「保険への加入」または「保証金の供託」を義務付けることで、耐震強度不足のような重大な瑕疵が発生しても、また業者が倒産しても、保険にて瑕疵部分の責任を履行します。
また、二度とこのようなことが起きないように法律を改正・制定して罰則を強化し、紛争が生じた場合には希望すれば保険法人が介入することで専門家による紛争処理が受けられます。

 

2009年10月01日