▶ マイホームの建築を考えていますが費用はどれくらい要るの?
「マイホームの建築を考えているが費用はどれくらい要るのだろう?」
家を建てる方が最初に持つ疑問点ではないでしょうか?
そして、今まで気にも留めなかった新聞のチラシに目が留まり‥○○ホームが坪単価35万円、○○ハウスが坪単価38万円など‥情報の収集が始まるのではないでしょうか?
そして、家族会議において「一度ショールームを見にいこう!」となり、身近な○○ハウスに行き、営業マンから説明を聞くことに‥ 実際に坪単価35万円で家が建つと思われますか?
建売住宅のように、建築主の要望などを排除した住宅であれば建つかも知れませんが、注文住宅であれば無理な単価だと思います!一生に一度?の買物です、騙されないように賢い買物をして頂きたいと思います。
1. 坪単価ってなに?
世間では坪単価が○○万円と言う表現をしますが「坪単価」とは何でしょう?
例えば、住宅の延べ床面積が60坪(198.35㎡)、建築費用が3,000万円だったとします。
(例)3,000万円 ÷ 60坪 = 50万円 ←坪単価
建築費用÷延べ床面積(坪)が坪単価になります、上記の計算では坪単価は50万円です。
2. 坪単価の違い
坪単価の表示方法は一律ではありません。
注意しなければならないのは、坪単価を算出する際に「施工面積」か「延べ床面積」のどちらを使用しているかという点です。
ハウスメーカー、建設会社、大工さんなど、表示方法には相違がありますので注意が必要です。
また、都道府県によって坪単価は大きな差がありますので、在住する地域の単価を知ることが必要です、他府県の単価を気にしても意味がありません。
ハウスメーカーの坪単価表示
○○ホームなどは、坪単価を算出する際に「施工面積」で表示しています。
施工面積とは、延べ床・ポーチ・バルコニー・テラス・吹抜けなどを含めた面積ですので、上記の例で言えば60坪が68坪くらいになってしまいます。計算式の分母を大きくする訳ですから‥計算値(坪単価)は安くなります。
また、屋外の電気配線・給排水・下水道の接続・雨水排水工事などが別途費用になっていますので、坪単価を安く表示できるのです。
言い換えれば、安い坪単価表示の中身は「建物だけの価格」のことで、別途工事が有りすぐに入居して使える状態では無いと言えます。別途費用を積上げていくと‥さて、最終的に坪単価はいくらになるのでしょう?
※ 着色部分は「施工面積」を示す
建設会社の坪単価表示
建設会社では、坪単価を算出する際に「延べ床面積」で表示しています。
「御社では坪単価いくら位で出来ますか?」と尋ねると‥「だいたい○○万円くらいですね」と回答があります‥そのときの面積表示は「延べ床面積」です。
延べ床面積とは、壁など区画の中心線で囲まれた水平投影面積で各階の床面積の合計をいいます‥ポーチ・バルコニー・テラス・吹抜けは含みません!
※ 着色部分は「延べ床面積」を示す
坪単価での判断は危険です!
坪単価が安いからと言って必ずしも得な買物にはなりません!
「施工面積」と「延べ床面積」では違う坪単価表示金額になります。
例えば、坪単価が35万円‥安い!と思い、○○ホームで簡単な図面と見積書をもらうとします。
見積書には、あれが別途、これも別途と記載があります‥別途費用を積上げていき坪単価に換算すると50万円/坪になったなんてことも。坪単価が安い、高いなどで判断するのではなく、別途工事は一切なく総工事費用の安い業者に依頼するのが得な買物ではないでしょうか?
とは言え、比較することをしないで○○ホーム1社と商談を進めていますので「断りにくい」状態になります。
都道府県による坪単価の違い
東京都の80万円以上から、地方の60万円未満など地域によって20万円以上の差が生じています。
その原因は、費用の大半を占める職人の人件費や会社の管理費の違いによるものです。
また、県民所得の低い県は相対的に坪単価も安く、物価・地価の安いですが、反対に県民所得が高い県は相対的に全てが高いようです。
都道府県別、フラット35融資住宅の各県別平均・坪単価 |
黄 色:坪単価60~65万円未満 ピンク:坪単価60~80万円未満 赤 色:坪単価80万円以上 その他:坪単価60万円未満 |
3. 坪単価は結果論
坪単価とは、一言で言えば結果論です。
例えば、マイホームが完成しました‥施工会社に3,000万円支払いました、その金額を坪で割ったら60万円/坪だったなどです。
洋室の壁にビニールクロスを貼るのと、天然の無垢板を張るのでは値段が全然違います。
または、和室に「床の間」を設ける、設けない、エアコンの金額を含む、含まないでは全然違ってきます。
エクステリア費用
カーポート&エアコン
4. 賢い買物とは?
同じ図面、同じ条件を提示して、A建設とBホームに見積りを依頼すれば、どちらが適切で安いかが分ります。
賢い主婦は、毎日のように新聞折り込みを見て「今日はあそこのスーパーは卵が安い」と、1円でも安い食料品を探します。
マイホームを建築される時も同じように比較をしたほうが良いと思いますが、される方は少ないのが現状です。
何故でしょう?
日本人は義理堅い人種?ですので「見積りだけ頼んでおいて断る」のが後ろめたい‥そのような感情があると思われます。
そこで、弊社のような設計事務所の出番になるのですが、第3者に委託することで金額・項目など、どの会社が安くて適切な金額なのか判断してもらえます。
A建設 Bホーム
5. 安いのか、高いのか、分らない
見積書を見て、安いのか、高いのか、素人では分りません!
見積書の枚数は100枚を超えるほどになります、内容を見ても専門用語が多くて素人の方では分り難いと思います。
また、数量は間違っていないのか、単価は高くないのか、安いのか、適切なのか‥素人では分りません。
では、なぜ分らないのに数千万の契約をしてしまうのでしょう?
テレビCMで著名な野球選手が宣伝している建設会社なので信頼できそう。
親戚の家は、あの大工さんが建て太い柱を使っていたので信頼できそう。
あそこの建設会社は住宅の建築を数多くしているので信頼できそう。
営業マンがしつこく来て困るけど値引きしてくれると言うので‥
思いつくままに列記しましたが、共通点は「信頼できそう」ではないでしょうか?
テレビCMは確かに凄い効果があります‥しかし、多額の宣伝費は消費者に跳ね返っていますので少なからず安い買物ではありません。
<不幸な話し>
ある建築主の方から聞いた話ですが、母屋の増築を大工さんに依頼して‥簡単な図面と見積りをもらい着工した所、「それは別途です」「これも別途です」となり追加工事で金額が膨れ上がり、最後には信じられない程の金額になったとのこと。
最初の段階で、シッカリと見積り項目を確認していなかった建築主に落度があるようですが、別途工事の内容を説明しなかった大工さんに悪意を感じませんか。
6. 適切な金額とは?
建築費用は、グレードにより高くもor安くにもなります。
高い材料を使えば坪単価は高くなります‥安い材料を使えば坪単価は下がります。
予算がなければ、内部の壁・天井は全てビニールクロスに変更するのも一つの方法です。
建築主が求めるのは、質なのか量なのか?
質を求めれば、グレードが高くなり建築費用は高くなります。質よりも量を求めれば、グレードが低くなり建築費用は安くなります。予算がいくらあるのか?延べ面積はどの程度必要なのか?予算に合わせて、延べ面積・グレードを決めていけば良いのではないでしょうか?
坪単価は結果論ですが‥一般的には50万円~65万円ほどの費用は必要です。