なぜ、このような法律ができたの?

耐震強度偽装事件
2005年(平成17年)に明らかになった、姉歯一級建築士による耐震偽装事件!
正しくは「構造計算書偽装」で、RC造のマンションなどの構造計算書を偽装して耐震強度を偽っていました。
その、建築確認の段階で審査機関が偽装を見抜けず‥マンションなどは建築販売され住宅購入者は入居。後に、強度が不足しており地震で倒壊の恐れがあるなどで解体して建て替えることになりました。

責任は誰に?
国交省、審査機関、建設業者、販売会社‥責任のなすりあいで国は責任を取っていません!あとの各業者は、指定を取り消されたり、資格を剥奪されたり、社会的信頼を失い倒産しました。
※2009年2月24日、名古屋地裁で県の過失を認めた判決が始めてでました


住宅購入者は
責任の所在がハッキリせず、建て替えることになった購入者は災難です‥業者に購入金の返還請求をしようにも既に倒産しています‥現在二重ローンに苦しんでおられます。
建て替えがなくても、住まいを失い、残ったのは住宅ローンだけです‥非常に悲しいことです!

そして国交省は
このような人災を二度と起こさないように国は法律の改正・制定を行いました。
現在、関係業者を徴集して「
住宅瑕疵担保履行法」の無料講習会を全国で開催しています、2009年10月1日の施行に向けて周知している所です。
罰則・罰金規定もあり、業者にとっては戦々恐々かも知れませんが、これから
マイホームを取得される方を保護しようとする法律です‥良いことではないでしょうか!?


改正された法律とは?

建築基準法の一部改正
  (1)建築確認・検査の厳格化
  (2)指定確認検査機関の業務の適正化
  (3)建築士などの業務の適正化、罰則の強化など
  (4)住宅の売主等の瑕疵担保責任の履行に関する情報開示

おおまかな改正として、建築確認済証の交付期間の延長、一定規模以上の建築物について「構造計算適合性判定」が必要になり、違反者には懲役または罰金などがあります。
違法行為による懲役・罰金の規定は建築主(依頼者)にも適用されます

建築士法などの一部改正
  (1)小規模木造住宅に係る構造関係規定の審査省略見直し
  (2)建築士の資質・能力の向上
  (3)高度な専門能力を有する建築士による構造設計及び設備設計の適正化
  (4)設計・工事監理業務の適正化など
  (5)団体による自律的な監督体制の確立

おおまかな改正として、一般的な木造住宅の図面審査が厳しくなり、高度な専門能力を有する新たな資格が誕生し、定期講習の受講義務化、違反者には懲役または罰金などがあります。

期待される効果
建築基準法での罰則は、最大で
1億円以下の罰金、3年以下の懲役。
建築士法での罰則は、最大で
100万円以下の罰金、1年以下の懲役。
建築基準法と建築士法で違反した場合には、併合罪が科せられることになりますので違反行為の抑制効果が期待できると思います。

制定された法律とは?

住宅瑕疵担保履行法
この法律は、平成12年4月施行の「住宅の品質確保法の促進等に関する法律」で定められた10年間の瑕疵担保責任を履行するための措置を住宅供給業者(売主・請負人)に義務付けています。

具体的に住宅瑕疵担保責任履行法とは?
瑕疵担保責任履行のための
資力確保を義務付けるもので、次のどちらか(供託または保険)を選択しなければなりませんが、組み合わせて利用することも可能です。




(1)住宅建設瑕疵担保保証金などの供託

<供託額の算定式>
供給戸数の合計×乗ずる金額+加える金額=供託額

供給戸数の合計 乗ずる金額 加える金額 供託額
1 1戸以下 2,000万円 0円         〜  2,000万円
2 1超10戸以下 200万円 1,800万円  2,000万円 〜   3,800万円
3 10超50戸以下 80万円 3,000万円  3,800万円 〜   7,000万円
4 50超100戸以下 60万円 4,000万円  7,000万円 〜     1億円
5 100超500戸以下 10万円 9,000万円 1億円 〜 1億4,000万円
6 500超1000戸以下 8万円 1億円 1億4,000万円 〜 1億8,000万円

[算定例]
30戸の場合:30戸×80万円+3,000万円=5,400万円
2009年10月1日以降に引き渡される新築住宅が対象になりますので、基準日以降は最低でも2,000万円の供託金を預ける必要があり、引渡し物件が増えることで供託金も増えます。
供託金は、基本的に10年間は取り戻すことはできませんので、一般的に小さい建設会社など供託は難しく、選択するのは大手ゼネコンや住宅メーカーなどではないでしょうか?


(2)住宅瑕疵担保責任保険契約の締結

<保険の概要>
申込み先  国土交通大臣が指定した「住宅瑕疵担保責任保険法人」
   1、(株)住宅あんしん保証
   2、(財)住宅保証機構
   3、(株)日本住宅保証検査機構
   4、(株)ハウスジーメン
   5、ハウスプラス住宅保証(株)
保険料  個々の指定保険法人が設定
支払われる保険金の上限  2,000万円以上
 ※
保険法人が支払う保険金額を2,000万円以上に設定することを義務付けて
   います。

   おおかたの法人が2,000万円を限度額に設定していますが、オプションで
   3,000万円、4,000万円、5,000万円を選択できる所があります。
てん補率  @売主などへは80%以上
 A売主倒産時に買主などへは100%
 (例) 1,000万円の補修費が必要な場合の保険金支払金額
 @の場合の保険金支払額:(1,000万円-10万円※)× 80%=792万円
 Aの場合の保険金支払額:(1,000万円-10万円※)×100%=990万円
 ※ 免責金額(戸建住宅の場合)
対象となる費用  @修補に要する直接費用
 A調査費用(修補金額の10%または10万円のいずれか高い額。
  ただし、実額または50万円のいずれか小さい方を限度)
 B仮住居・移転費用(50万円を限度)
 その他、保険法人によっては求償権保全費用や争訟費用が対象になります。

万が一、売主が倒産して瑕疵部分の補修などができない場合には、住宅購入者に 直接保険金(限度額2,000万円以上)が支払われるものです。


対象となる住宅
新築住宅
(例)戸建住宅、分譲マンション、賃貸住宅(公営住宅、社宅なども含む)

対象外のもの
新築住宅でないもの、住宅ではない建築物
(例)建設工事完了日から起算して1年を経過した住宅、事務所、倉庫、物置、車庫など

        

瑕疵」とは
一般的にキズや欠陥のことをいいますが、法律上は「請負契約で定められた内容や建物として通常期待される性質ないし正常を備えていないこと」をいいます。
瑕疵担保責任」とは 
引き渡された新築住宅に「瑕疵」があった場合に、その瑕疵を修補したり、賠償金の支払いなどをしなければならない責任のことをいいます。つまり、新築住宅の請負業者や分譲業者が引き渡した住宅に瑕疵が見つかった場合に負わなくてはならない責任のことです。
供託」とは
法令の規定により金銭などを一定の者に寄託(あずけ頼む)すること。
資力確保を義務つけられるのは誰?

「保険への加入」または「保険金の供託」(資力確保)が義務付けられるのは、発注者に新築住宅を引き渡す「
建設業者」および「宅建業者」です。
義務付けられた業者は、国土交通大臣が指定した「住宅瑕疵担保責任保険法人」と保険契約を締結します。
保険や供託による資力確保措置を講じないなど違反行為には1年以下の懲役か100万円以下の罰金、または その両方に処せられます。

保険料はいくら?

保険料は、各保険法人によって異なります。
保険に加入するには、工事中に保険法人による現場審査を受ける必要があり、検査料を含めた合計金額が保険料になります。

この保険料は、「住宅価格に転嫁することも可能」となっており、国土交通省は資力確保を建設業者などに義務付けておきながら、見積書に保険料を計上して支払いは建築主が負担しても良いとしています。
保険法人名 戸建住宅(標準コース)
  100u以上〜
  130(125)u未満
  130(125)u以上
 〜150u未満
150u以上
(株)住宅あんしん保証 ※  保険料  46,000円  保険料  60,000円  保険料  84,000円
 検査料  28,350円  検査料  37,800円  検査料  47,250円
 合 計   74,350円  合 計   97,800円  合 計  131,250円
(財)住宅保証機構※  保険料  54,910円  保険料  71,940円  保険料  99,220円
 検査料  23,320円  検査料  29,620円  検査料  39,080円
 合 計   78,230円  合 計  101,560円  合 計  138,300円
(株)日本住宅保証検査機構  保険料  51,400円  保険料  67,900円  保険料  94,400円
 検査料  27,615円  検査料  33,600円  検査料  40,845円
 合 計   79,015円  合 計  101,500円  合 計  135,245円
(株)ハウスジーメン  保険料  55,000円  保険料  55,000円  保険料  81,000円
 検査料  36,960円  検査料  36,960円  検査料  49,560円
 合 計   91,960円  合 計   91,960円  合 計  130,560円
ハウスプラス住宅保証(株)  保険料  41,800円  保険料  64,600円  保険料  87,000円
 検査料  25,200円  検査料  33,600円  検査料  48,300円
 合 計   67,000円  合 計   98,200円  合 計  135,300円
 注:(  )内の数値は※印保険法人を示す。
   ハウスプラス住宅保証鰍ヘ面積区分が違うために金額は概算にて表示しています。


紛争処理体制

住宅の新築や購入などで、争いがなく円満に終われば良いのですが‥請負人と建築主の間で紛争が生じることもあります。
この保険が付された住宅の売主や請負人とその買主や発注者との間で紛争が生じた場合、消費者保護の観点から住宅専門の紛争処理機関において、適切かつ迅速な紛争処理が受けられる体制になっています。
当事者は1万円程度の負担で、専門家による紛争処理を受けられることになります。


          

簡単に言うと

建設業者などに「保険への加入」または「保証金の供託」を義務付けることで、耐震強度不足のような重大な瑕疵が発生しても、また業者が倒産しても、保険にて瑕疵部分の責任を履行します。
また、二度とこのようなことが起きないように法律を改正・制定して罰則を強化し、紛争が生じた場合には希望すれば保険法人が介入することで専門家による紛争処理が受けられます。





※マイホームの建築をお考えの方は2009年10月1日以降に引渡しになるほうが保証されますのでお得かと思います。


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