▶ ハウスメーカー、地元の建設会社、近所の大工さん‥どこがいいの?

「○○ホーム、△△建設、近所の大工さん‥何処に依頼すれば良いのでしょう?」

昔は、個人の住宅などは近所の大工さんに頼むことが多かったのではないでしょうか?
現代では、私の在住する僻地にも○○ホーム、○○ハウスなど「ハウスメーカー」が進出してきました。
そして、ゼネコンと言われる建設会社も「住宅事業部」を設立して個人住宅に触手を延ばしています。
そのような状況で、マイホームを建てる方は多額の資金をつぎ込むのですから真剣です。
どこに依頼すれば大丈夫?‥少しでも私の回答が判断材料の指針になれば幸いです。

 ハウスメーカー
全国には約24社のハウスメーカーがあるようです。
エリアは全国展開、関東エリアのみ、関西エリアのみ‥など様々です。経営方式は、直営方式、フランチャイズ方式などがあるようです。フランチャイズとは、本部が一定地域内での独占販売権を与え、各種経営指導を行って事業の拡大をはかる方式です。○○ホームの名前の最後に会社名を付けています。

<長所>
 統一品質、統一価格により家を建てられるということがあげられます。また、資材の一括仕入れによる資材の低コストも実現しています。
 独自で開発した耐震性能など特許を持っているメーカーもあります。
 工事がパターン化しており難しい工事管理を要求されない。

<短所>
 代理店の技術力・責任能力などに差がある。
 テレビ、新聞広告など多額の宣伝費は消費者に跳ね返っている。
 基準となるモジュールが関東間で非常に狭い。

関東間 柱芯々で3640㎜            関西間 畳に合わせて柱間隔を決める
※ 8帖間だと関東間は30cmも狭くなります。

<モジュールについて>
基準となる寸法のことで、柱芯々1間の寸法が関東間1,820、関西間1,970です。
ハウスメーカーの基準モジュールは関東間が圧倒的に多いのです、それは人口密度が都市圏に集中しており需要が多いので関東間での部材生産になっています。都会の親戚宅に行ったりすると、田舎者の私は「息苦しさ」を覚えますが‥土地も物価も高い街では30㎝狭くても8帖間は8帖なんですねぇ。

<ショウルームについて>
ハウスメーカーのショウルームは非常に豪華な造りになっています‥聞く所によると1億円とか!?
ご夫婦で、または家族で観にいくと「このような家が建てられる」と錯覚を起こします。冷静に判断される方は良いのですが、営業マンと話しを進めていく間に断りにくい状況になってしまいます。
大抵の場合、受付で名前、住所、℡番号などを記入しますので‥以降は、営業マンが嫌がられない程度に尋ねてきます。


 

<安い?高い?>
一般的に、内装は天井も壁もビニールクロスが多く天井が低いなど建設会社・大工などが建てる住宅とは大きな差があります。
それは、多額の宣伝費、フランチャイズでの名義料金などでグレードを下げなければならないなどが考えられますが、低コストを謳い文句にしているメーカーには仕方のないことです。
建築費用が高額なのに内装のグレードが安物っぽいと感じたら高い買物になります。

<音が聞こえる?>
あるハウスメーカーで家を建てた方に聞いた話ですが。
1階に居ると2階の音が聞こえるそうで‥実際にご自宅を拝見して図面を観た所。

原因として
 階高が低く天井の懐が少なかった。
 構造材が細くて耐力不足ではないかと思われた。
※ 構造材は細いですねぇ、試験を行なって耐震基準をクリアーしていると思いますが少し不安になりました。

 地元の建設会社
一言で表現すれば「技術者集団」です。
一級建築士、二級建築士など有資格者の集団で、土木工事も行っている業者もあります。
大工を自社で雇用している建設会社、雇用せず物件を受注した時に外注する建設会社など形態は様々ですが、地域に根ざした会社ではないでしょうか?
女性の社会進出も顕著で‥建築の現場にも女性の姿が観られます、男性とは違い細かい配慮があり住宅建築の管理者に向いているかも知れませんね。


<長所>
 公共事業などの工事を受注して実績があり施工面など信頼できる。
 経験が豊富な職員(技術者)が現場管理を行うので安心できる。
 地域に根ざし信頼を第一に考えている。
 日進月歩である建築基準法など法令を熟知している。

<短所>
 統一価格、資材の一括仕入れなどは行わないので低コストでの施工はできない。
 ショウルームなどを持たない所が多く観て比較ができない。



 近所の大工さん
一言で表現すれば「職人」です‥当たり前かも?
一人で頑張っている大工さん、数人で集まり会社を立上げている大工さんなど様々です。
有資格としては、二級建築士、木造建築士、無資格などでしょうか?
手に技術を持っていますので、器用なのか、不器用なのかが生命線になります。謳い文句は「設計・施工」なんですが、設計図書は簡単な図面のみが多いようです。


<長所>
 材木の長所・短所を良く知っている。
 多額の宣伝は行わず間接経費が要らないのでその分安くできる。
 構造材などは太めの材料を使用する。

<短所>
 統一価格、資材の一括仕入れなどは行わないので低コストでの施工はできない。
 ショウルームなどを持たないので観て比較ができない。
 簡単な図面で施工をするので詳細が分からない。
 職人の手の早さ・遅さにより人件費に差が生じる。
 建築基準法など法令にうとい。

※どこがいいの?
ハウスメーカー、建設会社、大工‥何処がいいのでしょうか?
各業者の特徴を書きましたが一長一短があります、最終的に決断されるのは多額の投資をされる建築主です。
電気製品であれば、何処で買っても性能は同じですが、建築の場合は一つ一つが手造りですので、業者が変われば性能・品質も変わります。
安心できる住まいを望まれるなら、良し悪しを判断するには1対1では難しいと思います‥第3者の専門的なアドバイスが必要ではないでしょうか?

2018年05月02日