▶ 和風住宅と洋風住宅では、どちらが安いのですか?

現代の住宅は和洋折衷になりましたが‥さて、どちらが安いのでしょうか?
和風住宅のイメージは‥畳、漆喰壁、襖、障子、床の間、引き戸などでしょうか?
洋風住宅のイメージは‥フローリング、サイディングボード、食堂テーブル、クロス、開き戸などでしょうか?
以前は、二間続きの和室があり畳の間で食卓を囲み食事をしていましたが、いまでは食堂のテーブルで椅子に腰掛けて‥と、生活様式が変わってきました。

【和風住宅とは】
辞典で調べると、「日本の伝統的な生活様式に順応する畳、障子、襖を用いた住まいで、構造は木構造とし、壁体は土塗の真壁造り、屋根は和風小屋組み、床の間、棚、書院、縁側などの和風固有の造作を施すことが多い」

<良いところ>
 畳が素足には心地よい。
 土壁には調湿効果がある。
 屋根瓦は重みがあり、また断熱効果がある。
 床の間、書院、縁側などは情緒がある。
 仕切りの襖を取り外せば2室を1室にできる。
 畳の間は用途によって、食堂、寝室、客間に転用できる。

<悪いところ>
 土壁など湿式工法はひび割れ・隙間などが生じやすい。
 土壁は下塗り、中塗り、上塗りなど工程が長く高い精度が要求される。
 真壁造は断熱性能が劣り冷暖房の効率が悪い。
 襖、障子などの建具では各部屋のプライバシーが保てない。
 食と寝の区別がない。


【洋風住宅とは】
辞典で調べると、「和風住宅の対語で外国から輸入された構造で、軸組を大壁造り、屋根を洋風小屋組み、壁を漆喰塗りor板張り、内部を椅子式に適する床仕上げにすること」

<良いところ>
 大壁造は断熱材を充填できるので冷暖房の効率が良い。
 サイディングボードなど乾式工法はひび割れなどが無い。
 大壁造により各部屋のプライバシーが保てる。
 食堂、寝室などの分離により衛生的である。
 気密性能が和風より優れている。

<悪いところ>
 外壁のコーキングが切れやすいので注意が必要である。
 気密性能が高いので常に適切な換気が必要である。
 開き戸などは車椅子には適さない。


【和洋折衷とは】
生活様式が変わり、和風住宅の良い所、洋風住宅の良い所を採用した住宅と言うことになりますが‥どちらかと言えば洋風に近いのではないでしょうか?
LD(リビング・食堂)様式のように、リビングと食堂を1室とし応接家具などを置いて居間or客間の用途を兼用するタイプが増えています。二間続きの和室や客間などは少なくなり、食堂のテーブルが客間兼用となり家の中心的な場所になっています。

<和風住宅は高い?>
和風住宅は、真壁造といい軸組み(柱・梁など)を隠さずに化粧として見せます。そして、柱と柱の間に小舞竹を組み土壁を塗って壁としますので、柱に節などがあると不細工になります。一般的に、高額な材料を使用し高い精度を要求されるので和風住宅は高い。

<高くなる要因>
 柱などは4面無節、3面無節‥など、高額な材料を使用するので材木費が高い。
 自然材・床の間(床柱・床框・床板など)など材料費が高い。
 真壁は施工に手間がかかるので人件費が高くなる。
 材木など加工する職人には高い精度が要求されるので人件費が高くなる。

<洋風住宅は安い?>
洋風住宅は、大壁造といい軸組み(柱・梁など)を壁材で隠します。
外壁はサイディングボードなどを張り、内壁はプラスターボード下地のうえにビニールクロスを貼るタイプが多くなりました。
一般的に、和風よりは安い材料を使用し高い精度を要求されないので洋風住宅は安い。

<安くなる要因>
 柱・梁などは壁材で隠すので節などのある安い材料を使用できる。
 大壁は施工が簡単で手間がかからないので人件費を安くできる。
 ビニールクロスは単価が安い。
 工期が和風住宅より短いので安くできる。

※ 「圧縮力」を受ける柱には節があっても問題はありませんが、「曲げ」を受ける梁材に節があると断面欠損になり強度が低下しますので注意が必要です。

<結論として>
和風住宅は洋風住宅より高い!
どの位の差額になるかは、グレード・仕様により変わりますが洋風住宅のほうが安いですね。

2015年06月30日